2010/01/23 22:37 | 昨日の出来事から | コメント(4)
遅ればせながら、今年はどんな年に?
「今年の金融関係はどんな年になるのだろう?」と新年来、なんとなく考えていたのですが、「そうか、やはりこういう年になりそうだ!」と答えのヒントになるような記事が、先々週号の英経済雑誌エコノミストに掲題に関する記事が掲載されていましたのでご紹介します(タイトルは 「バブルの警告」)
主な内容は以下の通り。
(1)昨年(2009年)は、世界各国政府の積極的な景気刺激策のおかげで、2008年秋のリーマンショックに端を発した金融危機をなんとか食い止めることが出来た。
(2)おかげで世界の株価指数(MACI)は70%も上昇した。 アメリカの株価は2007年のピークに比べてまだ25%下落したままであるが、それでも長期トレンドに比べてまだ50%も割高な状態にとどまっている。
(3)また、アメリカの住宅市場も回復し、賃貸価格から割り出した利回りはほぼ適正な水準にまで回復してきた。 しかし、一方でイギリスの住宅価格は、同様の手法で計算すればまだ、30%も割高であり、オーストラリアのそれは50%も割高になっている(住宅バブル)。
(4)今後、こうした低金利と量的緩和の金融政策や大量の財政支出による財政政策のひずみが、顕在化しそうである。 例えば、一部の市場や、特に新興市場において、手元資金の余剰感から投機的な動きが出てきそうである。(一部の商品市場の投機的なバブル)
(5)こうした動きに対応すべく、Ben Bernanke FRB議長は、「アメリカの住宅価格の高騰は、銀行に対するより健全な規制によって制限できるであろう。」 と述べました(先週末のNY株式は、こうした規制案の具体化を嫌気して急落しています。
(6)また、市場は、各国政府の財政赤字を増税することなく中期的にどのように削減していくのかを注視しており、既にこうした財政赤字に対する政府の対応を試す動きが出ている。例えば、去年のドバイショックも一つの例であり、ドバイ政府は、結局、隣国アブダビ王国に支援を頼まざるを得なかった。 また、ユーロ圏では、ギリシャに対してより厳しい財政規律を市場は求めているが、具体的な対応はまだ見られていない。 更には、以前のアイスランドの通貨危機に対して、イギリスとオランダがアイスランドの銀行に対して預金者の損害賠償を求めている。 今後は、こうした揉め事が散発的に起こり、マーケットのボラティリティを増幅しそうである。
以上のように、今年は2009年の施策(巨大な財政赤字と超低金利政策)に対する副作用が、ショックあるいは危機となって世界のあちこちで起きそうです。
エコノミストは最後に「投資家は、現在の資産価格や為替水準が、中央銀行の超低金利や量的緩和、そして政府の大量の財政支出の上にあることを認識する必要がある。」と警告しています。
さて、これを受けてどうしますか、、、
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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4 comments on “遅ればせながら、今年はどんな年に?”
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最近の傾向を観ると、
年は12進法ではなく、60進法の方が分かりやすいのではありませんか?
人間はあまりにもせっかちになってしまった。60進法の経済年を新たに創ってもいいのでは?
バーナンキさんも青銅の王子様になり始めたし、再任も靄がモヤモヤ・・あのお髭でお得だったのでは・・?
結構食わせモノだったのでは、あの御仁??
エリオット波動的に今年はどうなるかなど、前橋さんの意見を聞いてみたいですね。また、エリオット波動と一目均衡表の基礎と時事的な解説をして頂けたら、有料でも教えて頂きたいものです。(本を読んでも解りません。雲なんか殆ど無視した方がいいんではないかと・・・)
オーストラリアへの無事の帰国、お祈りしております。
個人的には、サイクル理論とアストロロジーとの関連について興味があります。
貴重なご意見、ご要望ありがとうございます。機会があれば意見交換会、あるいは勉強会をさせていただき、今後の参考にさせていただきます。今後ともよろしくお願いします。