2011/02/09 05:26 | 昨日の出来事から | コメント(2)
ベタ褒めされる菅政権
今週号の英誌エコノミストは、先週に続いて日本の政治が取り上げられています。 しかも、今、日本国内では政権末期とも言われるほど支持率が低迷している菅政権が、本誌では「小泉政権をも越える大胆な改革を打ちだした!」とベタ褒めです(そのこと自体、何か裏がありそうで怪しい)。
英誌エコノミストは、菅政権が既に追い詰められている事を十分に認識した上で、「これまでタブー中のタブーであった消費税の引き上げを社会保障と一体にして(ある意味ではこれを人質にして)野党に呼び掛けている事、更に平成の開国と称してTPP参加を推進しようとしている事は、現在の『日本国民の二律背反的な心理』をうまく突いている」と称賛しています。 この「日本国民の二律背反的な心理」とは、一つには、消費税を上げられるのは厭だが、その一方で、このまま財政が悪化していくのは良くないと誰もが思っていること、そして、二つには、日本の農業(特に米)が壊滅的な打撃を受けるのは困るが、その一方で今の経済の閉塞感を打開する為には貿易の自由化もやむを得ないのではないかと誰もが思っている心理の事です。
しかも、(私は阪神ファンなので生まれてこの方、お金を出して読売新聞を読んだことがないのですが)、英誌曰く「購読者1000万人を越える読売新聞が、今回の菅政権の消費税上げとTPP参加の長所を訴え、渡邉恒雄会長の朋友である与謝野経済財政担当大臣に対してとりわけやさしい(notably kinder)」のだそうです。
かつては、現職の首相を捕まえて「平成の脱税王」とののしっては「民主党はこの国を潰す」とまで書いた本を出した人と、更には「女性は子供を産む機械である」と発言して辞職した元大臣に消費税増税のキャンペーンを張らせ、新聞では巨人礼賛記事の合間に消費税増税とTPPの必要性を訴えられても、巨人ファンの方にはいいかもしれませんが、それ以外の人には、ちょっと、、、それでは、、、。
折角、国民は、シブシブながらも「消費税の引き上げもTPP参加も仕方ないのかな」と傾きかけていたのに、これでは、逆に頑なに反対したくなるのが、私の様な了見の狭いあまのじゃくだけかもしれませんが、人の心情と言うものではないでしょうか?
ひょっとしたら、菅総理はそこまで読み取って、表向きでは消費税の上げとTPP参加を標榜しながら、実は、のっけから成立するなんて考えていないのでないでしょうか。 そして沖縄の普天間基地問題と同様に、大風呂敷を広げるだけで結局は頓挫し、その後には感情的なシコリだけが大きく残って、これらの問題(消費税上げとTPP参加)も更に先送りされそうな気がします。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “ベタ褒めされる菅政権”
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あそこが・・
褒めたら・・
自動的に・・反対語辞典を・・
貶されても・・
自動的に・・反対語辞典を・・・
大手新聞が消費税増税に肯定的だがその本当の理由は、新聞が軽減税率を受けるから。財務省は増税ムードを煽りそのうち反対のめぼしいところは軽減税率で篭絡。新聞とはもうできている。読売は財務省らから天下りを既に受け入れたからね
2011年1月19日 18:00:44 Echofonから
高橋洋一さんいわく↑だそうです。