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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2011/08/05 06:00  | 昨日の出来事から |  コメント(1)

アメリカで不動産でも買いますか?!


おはようございます。

昨日は、久しぶりに日銀による単独為替介入がありました。3月の東日本大震災後につけた安値76.25円近辺まで進んだ円高に対して、政府日銀が円売りドル買い介入を行い、これに驚かれた方、あるいは「やっぱりか!」と思われた方、様々と思われます。 我々、目先の50銭〜1円を狙って売り買いする者にとっては、為替介入は、突発的な事故に遭遇する様なもので、いつも苦々しい思いをさせられます。

確かに名目的には1ドルが70円台というのは歴史的円高なのですが、では「円が本当に円高なのか?」と言えばそうではありません。 今週号の英誌エコノミストに毎度のビッグマック インデックスによる主要国の購買力比較や、2010年以降の対ユーロ対比の円を比べて見ても、円は殆ど変わっていません。また、通貨バスケットによる円の価値を見ても同様の事が言えます。 

結局のところ、米ドルだけが売られ、米ドルが他通貨対比安くなることで、アメリカの景気の回復を、世界がそして金融界が催促しているようです。そうしないと、アメリカの債務問題はまずます困難を極め、今後、更にThe risk of brinkmanship(瀬戸際リスク)が高まり、それが世界の金融危機に陥れることにつながりかねないからです。 

最近では、「円高は困る!」といってテレビに出てくる人も様変わりしたように思います。 以前(10〜20年前)は、財界を代表する人が声高に「円高は困る!」と言っていましたが、最近では、その姿は影をひそめました。 ある意味では、当たり前で、こうした円高は今に始まった事ではなく、1985年以来、25年以上も続いた経済現象であり、これに対して全く対応できていないのは、その経営者が無能であることを自分で公に晒す(さらす)様なものです。 そして、英誌エコノミスト風にいえば、円高は、効率の悪い、あるいは時代の流れについて行けない旧然として生き残っている「ゾンビ企業」の安楽死を促進する作用が働いているとも言えます。

さて、そんな高所大局の話はさておき、私達個人投資家は、どうしたらいいのでしょうか?

昨日、ブリスベンに住む読者の方とお話をする機会があり、その方から「円高、豪ドル高だし、豪の不動産は高いし、どうですかねえ〜、NYのマンションでも買おうと思っているのですが。だって、ブリスベンの不動産よりもNYの不動産の方が安くなってきていますよ!」 。

この円高を指をくわえて眺めているのは、実に勿体ない事です。 出来る範囲で、この円高を積極的に利用すべきです。 韓国にエステでも買い物でもいいでしょう。 海外旅行もいいでしょう。 お手元の円を是非、活用しましょう! ですが、出来れば「消費」ではなく「投資」を!

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One comment on “アメリカで不動産でも買いますか?!
  1. ベルドン より
    ?!

    突発的な事故・・??

    待ってのでしょう・・(笑)
    今度程・・
    介入が・・分かりやすいのも・・・

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