2011/02/03 05:29 | 昨日の出来事から | コメント(1)
マック フレーション インデックスから見た統計のウソ
今週号の英誌エコノミストでは、 いつもは為替の割高、割安を毎度のビッグ マックを使って世界各国を比較するのですが、今回は趣を変えて、McFlation Index(マック フレーション インデックス:ビッグ マックの価格上昇率)を使って、世界の各国が発表しているインフレ率の数字とビッグ マックの価格上昇率のかい離を比較しています。
一般的には、食料品の価格上昇は全ての物価全体のインフレ率に比べて高くなる傾向があり、 その意味では、ビッグ マックの価格上昇率が、インフレ率よりも高くなるのが一般的です。 処が、あにはからんや、各国が発表する数字は、必ずしもそうではないのです。
各国の発表するインフレ率とビッグ マックの価格上昇率とのかい離が最も大きい国(自国のインフレ率を最も過小評価して発表している国)はアルゼンチンで、 何と9%も乖離があり、統計上、何らかの操作がされている事は間違いなさそうです(つまり、アルゼンチンが発表するインフレ率は全く信用できない)。 その次に、かい離が大きい国はブラジルで4%もあり(ブラジルの経済統計も眉唾ものか)、それに続いて南アフリカの2%台前半が来ます。
経済統計については、その手法や計算する目的によって誤差が出るのは当たり前で、ここでは大雑把ですが1〜2%の誤差は許容範囲内とすると、アメリカの1.8%、 中国の1.6%、 日本の1%、ユーロ圏の−0.2%、台湾の−0.3%、イギリスの−0.5%、韓国の−2%がその範囲内に収まっています。 意外な事に、中国のインフレに関する統計は、ビッグ マックの価格上昇率とのかい離という点から見れば、それほど間違ってなさそうです。
一方で、逆に、その国のインフレ率が非常に過大に評価されているのは、ロシアとインドネシアの−6%でした(どういう理由で敢えてそうなっているかは分かりません)。 しかし、少なくとも言えることは、アルゼンチン、ブラジル、南アフリカ、インドネシア、ロシアの経済統計の信頼性に問題があり、こうした国の通貨や債券、あるいは株式に投資をすると、どこかで梯子(はしご)を外されて痛い目に遭う可能性が大きいと言えます(クワバラ、クワバラ)。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “マック フレーション インデックスから見た統計のウソ”
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恋文を・・
読み比べる・・みたいなもの・・・