2011/07/29 06:52 | 昨日の出来事から | コメント(2)
日本にいて感じた事
6月30日に、日本に帰ってきまして一カ月が経ち、今週末には、またオーストラリアに戻ります。
この一カ月間に感じた事は、何と言っても東日本大震災後、東北の皆さんが、今も自然災害に真正面から向き合いながら、ひたむきに復興に向けて一生懸命頑張っていらっしゃる姿でした。 そして、新幹線の郡山駅から乗車される皆さんが、真夏の蒸し暑い中で長袖のシャツにマスクをかけていらっしゃる姿には本当に胸が痛みました。
その一方で、私は、復興が今一つ盛り上がっていないような気がしてなりませんでした。 民間レベルでは、募金やボランティア活動等が盛んに行われ、みんな頑張っているのに、肝心の国(政府)の動きがあまりにも鈍すぎます。 それどころか、震災後の対応や、原発事故後の対応のまずさが復興の足を引っ張っている事は、今、問題になっている放射性物質に汚染された牛が全国に出回っている事をみても明らかです。 にもかかわらず、現政権はその対応のまずさを未だに認めず、何食わぬ顔して最終的なその保障負担を東京電力に押しつける姿に、吐き気すら覚えました。 そして、今後もどれだけの費用負担が発生すののかはっきりしません。
こうした政府の対応の悪さは、何も民主党だけではありません。55年体制の頃からの「ツケ」であるアスベスト患者救済問題、B型肝炎患者保障問題は、何十年も前から指摘されておきながら、前政権である自公政権は全てを先送りにし、今、民主党政権になってやっと保証する事になったと思えば、その費用は国民全体の負担(増税)となって、押しつけられようとしています(もっと早く手を打てば、その費用は少なくて済んだ筈です)。
今、東日本大震災後の景気回復が取沙汰されていますが、これだけ復興資金をバラまけば、一時的には景気が良くなるのは当たり前です。 ですが、それ以上に、過去から先送りされてきた様々なコスト負担問題(年金や社会保障の財源確保の為のコスト)の道筋が見えない中、アスベスト問題やB型肝炎保障問題、更には今回のセシウムに汚染された肉牛問題のような政府の怠慢によって発生した本来であれば負担する必要のないコストや、今後も「必ず起こる」であろう政府の怠慢による費用負担(増税)を考えると、「この国は、益々、窮乏していくしかない!」というのが、今回の滞在中に痛感した事でした。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “日本にいて感じた事”
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震災後の政府、東電をはじめとする電力会社の対応、そしてこれを機会にと復興に限らない増税に走る官僚と大臣に吐き気を催してきましたが、状況を変えられないのは国民自身に障害を克服してまでも有言実行する気力がないから、だと思います。
フクシマが抜けてるんじゃ・・?
石棺・・一つ・・一兆円・・とか・・?
解決は・・それ以外ない・・・!