2010/07/28 05:26 | 昨日の出来事から | コメント(2)
主要国における長期間失業している人の割合比較
今週号の英経済雑誌エコノミストに主要国における長期間失業している人の割合比較といったちょっと変わった記事がありましたのでご紹介します。
今回の記事は、一般的には失業率だけが問題視されますが、その中にあって6カ月以上失業している人と1年以上失業した人の割合を示しています。
まず、半年以上失業業している人の割合が最も多いのはドイツで、失業者全体の60%を越え、更に1年以上失業している人の割合全体の45.5%となっています(ちなみに失業率そのものは7.7%です)。 2番目はギリシャで、6カ月以上失業している人の割合は全体の59%を占め、その内1年以上失業している人の割合は40%です(失業率は11.6%)。
3位はフランスで6カ月以上失業している人の割合は56%で内1年以上失業している人は34%となっています(同9.9%)。そして4位には、やはりヨーロッパのスペインが位置し、全体の52%が6カ月以上失業し、内30%が1年以上失業しています(ちなみにスペインの失業率は、何と19.9%!)。 それにしてもスペインの失業率の19.9%はすさまじいものがあります。 処で、この記事にはありませんが、これらの失業者の多くは、昨日のこのコーナーでも御紹介した外国生まれの労働者が多くを占めており、自国民の失業者はそれほど多くないと思われます。
これらに続いて5位に私達日本が続き、6カ月以上失業している人の割合は全体の46%を占め、内1年以上失業している人は全体の29%を占めています(日本の失業率そのものは5.2%)。 日本は、昨日もお話しましたが、殆ど外国生まれの労働者はいません(僅かに33万人)ので、こと自国民の長期間に亘る失業者問題は深刻であり、しかも失業者に対する保障や給付金がヨーロッパに比べて格段に低い日本では、極端に困難な生活を強いられている事がわかります(故に生活保護を求めざるを得ない人が急増する結果となっています)。
しかも、問題なのは、非正規雇用の中には働いても生活保護給付金よりも下回る所得しか得られない労働者が増えている事です。 これは明らかに社会の仕組みがおかしいと言わざるを得ません。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “主要国における長期間失業している人の割合比較”
ぺルドン にコメントする コメントをキャンセル
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失業者数の数え方も・・日本は甘いのでは・?・
その他・・統計数等・・まだまだ・・日本式が多い・・のでは・?・・
国際基準を・・採用しましょう・・
スペインは・・連合王国・・バルセローナは・・独立を求める機運が・・更に強くなるのでは・?・・・
>しかも、問題なのは、非正規雇用の中には働いても生活保護給付金よりも下回る所得しか得られない労働者が増えている事です。
ほんと、おかしな話ですよね・・・
日本はまだまだ年功序列だし正社員に過保護だから、
仕事内容じゃなくて歳くってるだけで役に立たないおじさんが高給とって、手を動かして末端で働いてる人の報酬が異常に安かったりする。
少子高齢化で意味無く管理職がわんさかいる会社も多いと思います。
「雇用の流動化」も小泉政権終了とともに中途半端に頓挫してしまったし、あれ以来なんの改革も行われてないし、やろうという気さえ見えない気がします。
また、経済が縮小していく状況なのに、
生活必需品の物価がまだまだ高すぎる気がします。
いったん新興国並とまではいかないにしても、
ある程度生活水準を落とす(みんなが貧しくなる)ことをしないと、
新興国との競争の中でやっていけないんじゃないか…という気もします。
ただ、そのあおりで円安が突き進んだら、
なんでも輸入している国ゆえに逆に物価が上がって大変なんだろうか…?
それとも、今のまま高コスト社会だけど、高品質で高価なものを売って稼いでいく社会を続けていったほうがいいんだろうか…?
私にもどうなれば一番いいのかわからない事だらけです。
「こうすればいい」という道筋を示してくれる人が現れないもんですかねぇ。。。