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2009/12/27 22:25  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

アメリカへの留学生数の国別比較


おはようございます。

先週号の英経済雑誌エコノミストにアメリカに留学する学生(2007−2008年)の国別比較が出ていましたのでご紹介します。

まず、海外からアメリカに留学している学生総数は106,123人で、第一位は中国の23,779人で、全体の40%近くを占めています。 また過去10年間の留学生数の伸び率も8.5%と高い水準です。

続いて2位、3位がインド、韓国の約10,000人となっており、過去10年間の伸び率は、それぞれ9.3%、7.6%とこちらも高い水準で伸びています。 それにしても中国の人数の突出さが際立っています。 

第4位が日本の6,000人弱で、次にドイツ、カナダが5,000人程度で続いています。

ただ、気になるのは過去10年間の伸び率です。 日本は僅かに0.5%にとどまり、ドイツ、カナダはそれぞれ1.9%、5.6%と日本より高くなっています。

人数そのものは、まだ少ないものの過去10年間で5%以上伸びている国は、イタリア、台湾、ブラジルとなっており、アメリカへの留学人気は相変わらずです。

「何も、アメリカに留学するだけがいいわけではない。」と言われそうですが、少なくとも、新興国では、アメリカへの留学生を急速に伸ばしていますし、また英語を母国語としないヨーロッパであるドイツ、フランス、イタリアなども確実にアメリカへの留学生を増やしています。

ところが、日本は過去10年間の海外留学生の数は殆ど増えていません。 同じことがオーストラリアでも言えます。私のいるブリスベンには、クイーンズランド大学があり、ここでも中国人、韓国人など、アジア系の学生を多く見かけますが、日本人は殆ど見かけません(かつては多くいたそうで、こちらでは日本人留学生は減っています)。と言うのも、クイーンズランド大学の場合は、大学の教育レベルは高くても、それが必ずしもいい就職につながらないことが日本人留学生の減少の理由だそうです。)

ところで、先週、やっと政権交代後の初めての来年度予算が決まりました。子供手当の直接支給や高校の実質無料化はありがたいことです。でも、どうしてその先がないのでしょうか? より高度な知識を求める学生の支援や、海外留学を希望する学生の支援は何故ないのでしょうか?(マニフェストに書かなかったから? 対象人数が少なくてあまり選挙の票につながらないから?)。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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