2010/07/15 06:20 | 昨日の出来事から | コメント(1)
前門の国民、後門のIMF
今回の参議議員選挙の結果は与党民主党の惨敗でしたが、それにしても国民の審判は、芸術的ともいえるほどバランス感覚の取れた素晴らしいものであったと私は感じています。
その理由の第1は、2009年の総選挙で「2013年までは増税しない!」と約束して政権交代を果たしておきながら、首相が替わった途端に増税の話を持ち出した事に対し、国民は「安易な増税は鬼門中の鬼門」である事を示した事です。 「日出国が、地球の裏側で起こった国(オーストラリア)の事など関係ない」と言ってしまえばそれまでですが、私の住んでいるオーストラリアでも、4月にケビン ラッド前政権が増税に手を出し、財界、組合、国民から総スカンを喰らって、それまで60%近くあった支持率が法案提出後には30%台まで急落し、2カ月も経たない内に政権が崩壊しました。 日出国でも、新しい政権の(異様に高い?)支持率を鵜呑みにして、消費税を高らかに謳って参議議員選挙に臨んだ処、惨敗!(だから、増税は鬼門中の鬼門と言ったのに、、、、)。
そして、今や菅内閣の内閣支持率は30%台と、これまたオーストラリアのケビン ラッド政権末期の状態にそっくりになっています(これに従えば、現政権は9月までか)。
第2の理由は、国民は、2009年の衆議院議員選挙では自民党の郵政民営化推進に待ったをかけましたが、一方で、今回の選挙では国民新党主導の郵政再国営化にも「待った!」をかけた事です。 この点は、本当に素晴らしいの ですが、、、(理由は後述)
そして、第3の理由が、今回の審判で「安易な数合わせの連立は結局うまくいかない事」を示したことではないでしょうか。 社民党に振り回されて沖縄基地問題で鳩山内閣が崩壊し、今回の選挙では、消費税増税問題が大きすぎた為にやや影が薄いですが、 それでも国民新党に振り回された強引な郵政再国営化にも反対の意思が強く働いたのではないでしょうか。 政権欲しさに基本理念の違う政党が勢い任せで一緒になったところで、時間の経過とともに齟齬が生じ、やがて大きな亀裂となって、連立どことろか逆に激しい内部対立を起こし、結果的に分裂してしまうことは古の教えるところでもあります。
さて、今後の民主党の政権運営ですが、相当長い期間は前門の虎よろしく国民を前にして増税は口が裂けても言えなくなり、一方で、後門の狼、IMFは近く日本政府に増税に拠る財政規律の回復を迫り、政権運営は益々困難を極めそうです。 ですが、国民は「政策が変節ばかりして右往左往する位なら、今のままでいい。余計なことはするな!IMF? そんなものはどうでもいい! その責任は自分たちで負う覚悟はある!」と意思表示したのが今回の選挙結果ではないかと私は感じています。
ところで、先日、ある郵便局に出掛けたところ、4つしかない窓口に6人!?の職員が座り、内2名は若葉マーク。 お客は私も含めて僅かに3人。 「こ、こ、これは、一体、、、、。 そうか、現場では法律や政治家なんか関係なく、実質再国有化に向けて既に動き出しているんだ!」と感じたのですが、今、入ってきたニュース、「郵政、正社員登用に非正規社員3万4千人応募!」
「はあ〜っ?!」 もう再国有化は決まったんでしたっけ???
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