2011/07/12 05:56 | 昨日の出来事から | コメント(0)
世界主要国の商業地価格の比較
先週号の英誌エコノミストに、世界主要国の商業地価格に関する比較がありましたので、ご紹介したいと思います。 BISが作成したデータを基に、 2005年を100とした時のカナダ、フランス、日本、アメリカ、ドイツ、イギリス、アイルランドについて見てみます。
これらの国で、2011年現在で一番パフォーマンスがいいのは(価格が上昇しているのは)カナダで、2005年の価格を100とした時、1008年には130近辺まで上昇した後、現在が115辺りで推移しています(カナダでも土地バブルが弾けて、これからデフレか)。 ちなみに、今回の比較には出ていませんが、今年になって漸く不動産価格の上昇が止まったのがオーストラリアです。
2番目は、フランスで2008年には120台まで上昇し、2009年には100近辺まで落ちた後、現在は105辺りで推移しています(サブプライム ショックを乗り切ったか)。 そして、日本とドイツは、2005年以降、一貫して下がり続け、現在は80近辺に位置しています。これらの国は、土地に関しては、2008年にかけて土地バブルもなく、デフレで下がり続けているのが特徴的です。
つづいて、アメリカが続き、 アメリカは2008年には120近辺まで上昇した後、2009年終わり頃に80を割り込みましたが、現在は80近辺で推移して持ち直し感が出ています(そして、今、これが住宅市場にも波及するかが注目されていますが、ぐっちー編集長はこれに対しては懐疑的です)。 同様のパターンをイギリスも取りますが、イギリスは2008年の120近辺から2009年の65辺りまで急落し、現在はやや持ち直して70台で推移しています。 サブプライム ローンショックの影響を最も受けたのは、アメリカではなくイギリスでした。
いや、失礼、もっと酷い国がありました。 それはイギリスのお隣の国アイルランドで、2008年に120ぐらいまで上昇した後は、現在も下落し続け、今や50近辺となっています。 これでは金融システムが大きく毀損するのも無理もありません(1990年代の日本の土地バブルが弾けた後の日本の金融機関の倒産、合併の歴史を思い出していただければお分かりかと思います)。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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