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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2010/12/29 05:50  | 昨日の出来事から |  コメント(3)

主要各国のGDPに占める税収比較


おはようございます。

先週の英誌エコノミストに主要国のGDPに対する税収比較に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。

OECDのシンク タンクに拠りますと、2009年の世界の主要国のGDPに対する税収額の平均的な割合は33.7%で、その前に調査をした2007年の割合は35.4%でしたので、この2年間に若干低下しました(但し、2008年のリーマン ショックでGDPそのものが大きく低下したことを考えると絶対額の税収は大きく低下しています。 藻谷 浩介氏ではありませんが、割合だけではなく絶対額の比較も大事です!)。

さて、2009年において、世界で最もGDP対比、税収の高い国は、今、最も暮らしやすい国と言われているデンマークで、その割合は48.2%でした(ちなみに2007年対比では−0.8%でした。 ちなみにデンマークの2000年におけるGDP対比の税収の割合は49.4%もありました)。 その次がフランスの42%(2007年対比―1.6%)、ドイツの38%(同 プラス1.0%)が続きます。 ドイツは、2007年から2009年にかけて、ヨーロッパの中で税収比率を上げた唯一の国です。 その後にはヨーロッパ諸国がずらりと並びます(イギリスの35%、アイルランドの35%、スペインの31%、ギリシャの30%、アイルランドの28%)。  これらの国々の中には、PIGSと言われる財政規律に問題のある国々も含まれており、ドイツにすれば「自分たちよりも財政比率の低い国々は 他国から支援を受ける前に自国の税収を引き上げる余地がまだまだあるではないか!」との主張の根拠になっています。

これ以下には、韓国の26%、アメリカの24%が続きます。 ところで、私達日本はどうかと言いますと、GDPは約500兆円に対して税収は40兆円程度ですのでGDPに対する税収の比率は10%にも満たない状況です。 世界でも最高の社会保険と医療保険を維持する一方で、GDPに占める税金の割合は、トルコの18%の半分程度しかないのですから、道理で財政赤字が急上昇する筈です。 そして、もし、お隣の韓国やアメリカ並みの税収比率に日本も引き上げることが出来たなら、税収は一気に今の40兆円から120兆円になり、毎年の赤字国債を発行する必要なくなり、逆に財政黒字になります!

では、何故、日本は、他の国並みに税金を引き上げることが出来ずに、こんな状態のままなのでしょうか? それは、国民にきちんと増税を訴える事が出来る政治家がいないからではないでしょうか。 それもその筈で、自らが、進んで口利き、斡旋で利殖に励み、政治資金報告書もどんぶり勘定でいい加減とくれば、国民の誰がそんな政治家の訴えに耳を傾けますか?! 本来であれば、儲かる筈のない政治家という商売で、お金持ちになっていくのは何故か? 更に、2世政治家、3世政治家と、政治家を代々続ければ更に資産が増えていくのは何故か? そのカラクリに納得のいく説明のない限り、国民は(少なくとも私は)、政治家の胡散臭い増税話に耳を傾ける気などサラサラありません。

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3 comments on “主要各国のGDPに占める税収比較
  1. ばすがすばくはつ より
    戦前からのプロ政治家

    今の政治家一族はみな、戦前も政治家がほとんどですので、政治家の中にも、民主主義なぞ信じていない、統治するのに便利である民主主義を信奉しているだけのような気がします。
    税収、自由主義のアメリカにも負けているなんて・・(軍隊だけではないでしょう。)。
    国の借金についても、今のままだとあと5年ぐらいではないかといわれていますが(その後は国債の相続税100%にする・・とかいわれていますが。それは置いて)、政治家と国民が気がつくかどうかですね。
    そのとき、ぐっちーさんと前橋さんは、生粋の?!オーストラリア人あたりを称して生きるのかな・・。ニッポンという名前を出すのがためらわれて・・。
    あと、ぜんぜん関係ないですが、アメリカにスペンドダウンの制度があり、ロングタームケアを受ける場合は資産をほぼ没収(ケア料金として徴収、その後メディケア、メディケイド)されるそうですが、これって世界的に同じような制度があるのでしょうか。仕事がそっち方面なのですが、なにぶん他言語が出来ず・・。機会があれば教えてください。
    職場のパソコンで見る機会が多く(コラッ)有料部分が見れません(FXもあまりしなくなりました・・(泣))。無料のところでお願いします。

  2. 立花毅 より
    特別会計の税収を入れてないのでは

    税収は一般会計だけではありませんよ。

    こんなこと書いたら誤解する人が出てくると思いますよ!!

  3. 前橋 より
    立花毅様

    いつもお世話になります。

    ご指摘の事はごもっともでございます。

    ご指摘の通り、特別会計はデータは古いですが2004年度で特別会計の収入は408兆円、歳出が287兆円なので、差し引き21兆円の収入になっています(同様に2001年では18兆円の収入)。

    それに、小泉内閣の時の塩沢正十郎財務大臣が「母屋(一般会計)でおかゆを食って辛抱しているのに、離れ(特別会計)で子供がすき焼きを食っている」が指摘していたことを思い出しました。

    ですが、これを勘案しても、日本の税収の合計額は60兆円程度となり、GDP500兆円対比、10%強にとどまり、他の諸国対比では、まだまだ低いことは否めません。

    また、これを記事にした英誌エコノミストには、こうした特別会計収入というのは非常に分かりにくい(あるいは見えていない)のだと思います。

    こうした点については、私たちが補足し、追加説明をするべきであったと反省しています。

    貴重なご指摘ありがとうございました。
    今後ともよろしくお願いします。

    前橋 

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