昨日、オーストラリア統計局は、１１月の景気動向指数を発表しました。主な内容は、

（１）11月の景気動指数は3ポイント上昇して１９となり、２００２年５月以来の高い水準となった。

（２）一方で、同時に発表された第3四半期の経常収支の残高は、前期のＡＵＤ１３．１３１ｂｎの赤字からＡＵＤ１６．１８ｂｎドルまで赤字が拡大しました。経常収支は今年の第1四半期に比べて約3倍近くに上昇しており、主に年初来の石炭や鉄鉱石の輸出価格の下落が主な要因であった。

（３）今回の弱い貿易収支は、第3四半期の経済成長を１．８％引き下げる。

この数字を受けてエコノミストたちは、「今日の数字には、景気の陰りがやや見られるものの、引き続き政府の景気刺激策の影響が残り、当初考えられた予想に沿って拡大し続けるであろう」との見方が大半です。

Commonwealth Bank　のチーフエコノミストMichael Blytheも、

（１） 第３四半期のＧＤＰは当初予想していたプラス０．７％の経済成長からプラス０．３％程度に鈍化するであろう。

（２）しかし、資源輸出関連産業は、アジアからの新規需要に応えるために新しい開発を行っており、また、今回の収支の悪化は、実質的な資本財の輸入によって悪化したものである（従って、今後は、輸出増となってプラス要因になる）。

（３）今回の経常赤字の増加は、ＲＢＡの金融政策に与える影響は限られるであろう。むしろ、ＲＢＡは企業経営者の２０１０年の景気に対する強気の見通しに注目するであろう。

とコメントしています。

市場の関心は、１２月16日に発表されるＧＤＰです。