2009/12/08 07:01 | 昨日の出来事から | コメント(1)
主要中央銀行のスタッフ数の比較
今週号の英経済雑誌エコノミストに主要各国の中央銀行のスタッフの人数比較が出ていました。「こんなものを比較しても?」と思われるかもしれませんが、興味深い点がいくつかありましたのでご紹介します。
現在、世界で最も重要な中央銀行は、アメリカの連邦準備銀行であることは間違いないと思います。
ところが、人口10万人当たりの中央銀行の比較をすると、断トツでロシアの50.6人で職員の総職員数はなんと7万1千人もいます。次にフランスの20人で総職員数は1万2千人、 続いてドイツ、イタリアの13人程度があって総職員数はそれぞれ1万1千人、7,500人となります。 ユーロが統合されて昔のようにヨーロッパ各国中央銀行の裁量がなくなったにも関わらず職員数が高止まりしたままです。
ユーロ圏の後に、ようやくアメリカがきます。その数はイタリアの半分で6人程度ですが総職員数は2万人弱も抱えています(人口が多いため10万人当たりの職員数は少なくても総職員数は多くなります)。それ以降には、オーストラリア、カナダの5人弱が来て、ようやく日本銀行の4人程度となり総職員数は4,800人です。 日本に続いてイギリスの3人が続きます(総職員数1,800人で、職員数でもイギリスはユーロ圏とは一線を画した形になっています。)
一方で、極端に少ないのは中国で、10万位当たりの職員数は、僅かに0.19人でアフリカのソマリアの中央銀行のそれよりも少なくなっています。
以上から、
(1)ロシアの職員数は論外として、ユーロが誕生して10年がたって自国の中央銀行の出来る政策が減っているにもかかわらず、ヨーロッパ圏の中央銀行の職員数の多さが目につき、かなり余剰人員を抱えていることが予想されます。
(2)その一方で、アメリカやオーストラリアや、日本は、かなりスリムです。
(3)中国は極端にスリムですが、それはスリムと言うよりも中央銀行としての業務(特に統計や景気動向調査などのある程度人員を要する仕事)が、まともにできていないのではないかと予想されます。こうしたことが経済指標に対する信頼が得られない理由の一つになっているように思われます。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “主要中央銀行のスタッフ数の比較”
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だから
ぐっちーもスタッフを増やしたのか・・??・・