2011/12/09 06:12 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、11月の失業率は5.3%に上昇
昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した、豪の11月の失業率は、季節調整後で前月対比0.1%上昇して5.3%で雇用者数は6,300人減少しています。 事前のエコノミストの予想では前月対比変わらずの5.2%で10,000人の就業者増を予想していましたので、予想より悪い結果となっています。
内訳としては、正規雇用者が39,900人減少し、非正規雇用が33,600人増えており、雇用者は非正規雇用者を増やすことで、先行きの景気の不透明に対応しようとしています。 また、地域別では、鉱山部門が主要である西オーストラリア州やクイーンズランド州の雇用者数は増える一方で、金融などのサービスや、製造業、観光部門が中心のニュー サウス ウェルズ州やビクトリア州の雇用が減少しています。
特に、最近になって、ヨーロッパの金融危機から調達コストが上昇し、またビジネスも低調であることからオーストラリアの金融部門のレイオフが急増しています。一部のエコノミストは、豪の失業率は2012年央にかけて6%近くまで上昇すると予想し始めています。
ちなみに豪4大銀行の内、ANZ Bankを除いて、今週の火曜日にRBAが政策金利を0.25%引き下げたにもかかわらず、調達コストの高止まりを理由に貸出金利の引き下げをしていません。これに対して政府のWayne Swan財務長官が、貸出金利の引き下げを強く要請し、政策金利と市中金利が連動しないことに強い不満を示しています(昨日、Common Wealth銀行とNational Australia Bankも貸出金利を引き下げました)。
UBSのシニアエコノミストGeorge Tharenou氏は「(今日の数字は)全体として、ネガティブ サプライズ(予想以上に悪い数字)であり、2012年央にかけては、ヨーロッパの景気低迷と中国経済の失速を背景に、豪の失業率は5.5%程度まで上昇し、RBAは2012年2月に更に政策金利を0.25%引き下げるであろう」とコメントしています。
また、City のチーフ マーケット アナリストPeter Esho.氏は「(豪の失業率の)5.3%は、他の先進諸国からみれば、まだ羨ましい数字であり、引き続き他の国に比べてかなり健全である。かといって豪経済が他国の景気低迷の影響を受けないで済ませることはできない。従って豪の失業率は近い将来上昇するであろうが、驚くほどの上昇にはならない」とコメントしています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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