2009/11/08 08:51 | 昨日の出来事から | コメント(2)
各国別、中央官庁の高齢化比較
先週号の英経済雑誌エコノミストに、OECD加盟国別、50歳以上の中央官庁公務員が占める割合の比較が出ており、興味深くその記事を読みましたのでご紹介します。主な内容と私が個人的に感じたことは以下の通りです。
(1)公務員といえば、日本では、官僚、天下り、渡り、裁量行政、斡旋、談合、等など、あまりいい印象を与えるイメージが出てこない風潮があります(あるいは、故意にそういう風潮を作ろうとしている節があります)が、世界中でも同様に見られているかといえばそうではありません(フランス、カナダ、オーストラリアなどでは、職種にもよりますが尊敬される憧れの仕事の一つとなっています)。
(2)まず、全般的に言えることですが、1995年に比べて2005年の50歳以上の職員の占める割合は、韓国を除いて全ての国で上昇しています。これは社会の高齢化に伴うものなので、ある意味、当然のことと思われます。
(3))さて、肝心の中央官庁で働く50歳才以上の公務員の占める割合比較ですが、断トツに50歳以上の公務員の比率が高い国はアイスランドの42%で、続いてスエーデンの40%、アメリカの38%、ノルエー、スペインの35%となっています。 日本、オーストリア、ドイツは25%近辺で、オーストラリアや韓国は20%前後となっています。
(4)雑誌エコノミストの指摘の一つに、このように高齢化が進んだことによって、今後、一気に退職者が出ることで、世代交代や業務の引き継ぎがスムーズにいかないのではないかと危惧しています(こうした考えは基本的には正しいのですが、一方である種の危険を孕んだ考えだと私は思います)。
(5)更に、公務員に限らず、高齢化は業務の硬直化やサービスの低下や非効率につながり、その点からも公務員の若返りは必要であると指摘しています(私も御他聞にもれず50歳を越えており、悔しいのですが確かに思い当たる処があります)。
(5)公務員の高齢化といった点から見れば、日本には、とても素晴らしい仕組み(肩たたき、天下り)があるおかげで、1995年と2005年を比べても高齢化はさほど進んでいません。 この点だけを見ればとてもいい事なのですが、皆様もご存じのように、今度は天下り先や肩たたき先で色々な問題が起こっています。
(6)雑誌エコノミストは直接的には指摘していませんが、「優秀で若い公務員を確保することはその国の将来の為に必要であり、そうした人材を確保する仕組みを作ることが大切である。」と随所に暗示しています。しかるに日本はどうでしょうか。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “各国別、中央官庁の高齢化比較”
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前橋様、いつも楽しく読ませて頂いております。
私も50歳を超えて、何事の書類にも年齢を書き込むときに少なからず緊張を覚えます。半世紀生きた人間として、応分の生き方をしているのかとか、いつか50歳を超える日が来るのだろう、そして来たのだなとか。
ところで、様々な職業でその年齢的なハイアラキーが議論されます。上下関係はまず年齢から作られていきますが、何より必要なのが、閉鎖的にならず広く意見を求めることだと思います。仕事上の付き合いで大学関係者と話すことが多いですが、大学という組織も、閉鎖的な典型です。本来年齢が進めば、より多彩な交友関係を生かして、後輩に紹介していく役割が重要になってくるはずですが、私の若い頃に比べてそうした使命感を持った上役が少なくなってきていると思います。私自身もそうならないようにと、年齢と経験に裏付けられた行動を心がけてはいるのですが。
給料・・次第かな?
不景気が続くのだから、二割カットでも集まる・・と思いますが・・