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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2011/11/22 06:04  | 昨日の出来事から |  コメント(2)

45歳以上にとっては、都合のいい日本経済?!


今週号の英誌エコノミストに日本経済に関する記事がありましたので主な内容をご紹介したいと思います。

1990年代のバブル崩壊後、日本経済については「失われた10年」から、更には「失われた20年」と常に悲観的な見通しが言われてきました。 確かに土地バブルがはじけた事もありますが、もっと根本的な要因としては人口問題(少子高齢化、特に労働人口の減少)があります。 そして、今の日本の人口の半分以上は45歳以上であり、この人たちが中心になって運営されている政治の脆弱さが日本経済低迷の大きな原因となっています。

2001年から2010年にかけて日本全体のGDPは平均して0.8%増加し、その一方でアメリカの経済成長は1.6%も成長し、今、問題が起きているヨーロッパですら1%成長しています。 しかし、その一方で、一人あたりのGDPの伸び率は、何と、日本がプラス0.7%で一番高く、次いでアメリカは0.65%上昇し、ヨーロッパに至っては0.55%しか上昇していません。 

GDP全体の伸び率は日本が最も低いにもかかわらず、一人あたりのGDPの伸び率が最も高いのは、日本は人口が減少傾向にある一方で、アメリカやヨーロッパでは人口が増えているために、一人あたりのGDPの伸び率が低くなってしまっているのです。 また、統計上、色々問題はありますが、失業率に関しても、日本は4%近辺であり、アメリカの9%、ヨーロッパの10%に比べれば、日本は、まだ雇用が確保されている方なのです。

更に、日本経済については、長引くデフレと国の借金の大きさ(1000兆円)がよく指摘されますが、その一方で、対外資産は253兆円(3.3兆ドル)もありますし(ただし、政治的に売却させてもらえない)、また、東京大学のTakatoshi Ito氏の試算によれば「もし、日本の消費税をヨーロッパの最も高い国並みの消費税率(20%)を適用すれば、一気に50兆円もの財政赤字を削減することが出来るとしています。

このように、日本は、財政危機に苦しむヨーロッパの国々に比べれば対外資産もあり、上げようと思えば税金だって上げる余地が十分あります。 にもかかわらず、こうしたことが出来ないのは、今、日本を動かしている政治家や官僚、それにビジネスマンの多くは45歳以上であり、自分たちにとって不利益な事を進んでやる筈がありません(その分、若者にしわ寄せがきています)。 (その代わりと言って何ですが)、彼ら(年配の方の多く)は、自分たちの貯蓄を税金で取られるのではなく、自分たちの子供達に直接与えたいのです。

結局のところ、「日本の人口の半分以上を占めている45歳以上の多くの日本人は、何だかんだと言っていますが、現状にそこそこ満足し(あるいはこれに甘んじ)、過去20年続いた「縮小均衡根性」が彼らに深くに染みついてしまっている」と英誌エコノミストは指摘しています(うっ、確かに、、、、)。

NYのコロンビア大学David Weinstein教授によれば、「日本人は『権威の落ちた巨人症候群:diminished- giant syndrome 』に苛まれており、経済成長著しい中国をおっかなびっくりで眺めている(その一方で、低迷しているアメリカやヨーロッパと比較して自分を慰めている)。 もし、彼らが(日本人が)、アメリカやヨーロッパと比較する代わりに、自分自身を省みるならば、もっと勇気をもって現在よりも厳しい選択をする必要があることを感じるかもしれない」としています。

私も含めて、45歳以上の読者の皆様、如何しましょうや。

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2 comments on “45歳以上にとっては、都合のいい日本経済?!
  1. ベルドン より
    都合のいい・・

    それを・・
    イギリス病・・
    と言いませんでしたか・・??
    45才以上なら・・
    耳にタコ・・・(笑)

  2. uttiee56 より
    増税による財政再建は不可能。これ常識。

    橋本政権下で消費税を2%上げたところ、たしかに消費税収は上がりましたが、所得税収・法人税収が激減し、トータルの税収は減りました。
    一気に15%も上げたら一体どうなることか・・・((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

    >また、東京大学のTakatoshi Ito氏の試算によれば
    増税したにも関わらず、個人消費もGDPも「なぜか」減少しない、という、不思議なモデルを使用した試算ですね。わかります。

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