2010/05/21 05:45 | 昨日の出来事から | コメント(2)
無い袖を振るIMFの懐(ふところ)事情
今週号の英経済雑誌エコノミストにIMFの懐(ふところ)事情についての記事がありましたので、ご紹介します。
その前にこれまでのIMF過去の支援の実績についてお話しますと、何と言っても、今回のユーロ通貨安定化の為の214Bn SDR( 215bn ユーロ:日本円で約26兆円)が断トツで1番となっています。 (SDRとはSpecial Drawing right: 特別引き出し権の事で、1SDRは主要国通貨のバスケット方式で決められます)。 2番目は2009年のメキシコの31bn SDR、3番目が2003年のブラジルの28bn SDRが続き、4番目に今回のギリシャ支援の26bn SDRです。
ここで、読者の皆さんは「今回のユーロ通貨安定化へのIMFの支援金は215bn ユーロではなくて250bnユーロではなかったか?」と思われると思います。 実は、今日のお話のポイントはここにあります。
処で、IMFのお金は、どこから来るのでしょうか?
IMFの基金には大きく2つの基金があります。一つはGDR(General Drawing right:一般引き出し権)といって、これは、IMF加盟国が事前に資金を拠出してプールした資金(一般勘定)を利用する権利の事です。 もう一つが、今回のSDRで一般勘定とは別の意味で特別引き出し権と言います。
さて、この特別引き出し権ですが、加盟国によって合意なされると、IMFにおける出資金の割合に応じて比例配分され、その資金をIMFの特別勘定に振り込まれる仕組みになっています。 と言うことは、IMFの合意さえあれば理屈上は無尽蔵に資金を調達することが出来ますが、実際はそうではありません。2010年5月6日現在で、IMFのSDR貸出可能金額は、215bnユーロしかないのです! 今回、IMFはユーロ通貨支援の為に250bnユーロの資金拠出に合意しましたが、実は手元にそれだけの資金がなく、無い袖を振ったことになっています。 更に、今後、今回のギリシャとユーロ以外に新たな支援先が出てくると、もう支援する資金が枯渇して、現在のIMFの仕組みでは支えきれないと処まで来てしまっているのです。
今回のユーロ ソブリン問題は、「IMFを更に強固なものにするか、ユーロをやめるか」を市場から突き付けられた形になっています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “無い袖を振るIMFの懐(ふところ)事情”
air_con にコメントする コメントをキャンセル
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あちらで会った邦人ブレイボーイ・・秘伝・・
新聞紙を・・札束大に切り・・
財布に詰め込む・・
不思議と
金持ちになった気分に・・
膨らんだ胸ポケットを叩き・・
勘定は任せてくれ・・
と落ち着く・・金の算段も沸いて来る・・
IMFも・・
新聞紙を用意しているのでしょう・・・
北朝鮮が韓国を攻めるならまず日本に核を撃てばいい。
そうすれば、韓国人は反日感情から「日本を攻めろ!」と
訳の分からない感情を剥き出しにして、指揮系統が乱れる。
……などという下らない妄想を考えてしまいました。
冗談で済めばいいけど……。