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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2009/10/28 07:10  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

明日の重荷!?


おはようございます。

今週号の英経済雑誌に「明日の重荷」と題したアメリカの財政赤字に関する記事があり、興味深く読みましたので、主な内容をご紹介します。

(1)アメリカの財政赤字は、来年2010年には、GDP100%を越えてきます。 この数字の意味するところは、ムーディーズ等の格付け機関がアメリカの格付けを現在のAAAから格下げするかどうかを迫られる水準なのです。 

日本は、1998年に財政赤字が115%まで上昇したため、AAAから格下げられて現在はAAです。イタリアも同様に財政赤字は100%を越えており、現在の格付けはAAです。 イギリスは、まだ財政赤字が100%を越えておらずAAAを維持していますが、金融機関の不良債権の多さを理由にネガティブウォッチになっています。

今後、格付け機関は、アメリカの財政赤字が100%を越えてきたとき、どういう理由でAAAを維持するのか、あるいは、これまでの法則に従ってアメリカの格付けを下げるのかどうかに注目が集まりそうです。

(2)一方で、アメリカの格付けが維持されようが、格付けが下げられようが、これまでと変わらないとの見方も根強くあります。というのも、言われて久しい議論ですが、米ドル以外に基軸通貨の役割を果たせる通貨は今のところないからです。

ユーロは通貨として時間が経っておらず、また、ユーロ圏の範囲も確定できていない状態で通貨としての価値を確定できません。 また、最近、勢いをつけてきた中国の元ですが、致命的な処で基軸通貨としての条件を満たしていません(それは、自由に他の通貨と交換できないことであり、更には金融全般の法律が不安定で定まらない等の理由からです)。

(3)かつて財政赤字が悪化しても回復したいくつかの国があり、こうした財政再建の成功例が、財政赤字悪化に対する危機感を和らげてくれている部分があります(例えば、カナダ、デンマーク、スエーデンなどは、悪化した財政赤字を克服しました)。しかし、こうした国々は、財政赤字の数字そのものが比較的小さいケースであり、アメリカや日本のような巨大な財政赤字の場合、同じような成功体験が当てはまるとは限りません(むしろ、当てはまりません)。 

究極的には、財政赤字の増加は、GDPを押し下げ(デフレ要因)、本来提供されるべき公共サービスの資金の中から金利支払いに割り振けられ、足りない資金は更に借金をして調達しなければなりません。こうした循環が、更に経済活動を制約していきます(デフレスパイラル)。

(4)これを断ち切るには、どうすればよいか? アメリカの財務長官Tim Geithnerは言いました。
「まず、経済成長だ!」

(しかるに日本は??)

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