2019/08/27 05:45 | 昨日の出来事から | コメント(0)
新しい常識?!
先週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
2008年の夏、アメリカのT-Billの利回りがマイナスになるという奇妙で奇抜な出来事が一時的に金融市場に起こった。恐怖(リーマン ショック)が起こっている時間帯には、最も安全な資産にはプレミアムが付く(コストがかかる)。
今、再び奇妙なことが起きているが、今回は、常態化している。ヨーロッパの債券市場ではマイナス金利が当たり前になっている。世界経済について懸念が広がってそのようになっている。ドイツでは、30年債に至るまで全銘柄がマイナス金利になっている。アメリカでは、金利は、まだプラスである。しかし、イールド カーブはインバート(短期金利よりも長期金利の方が低く逆転)している。10年国債の利回りは3か月T-Billよりも利回りが低い。過去7回の景気後退期には、逆イールドが進行した。
神経質な投資家はドルに手を出している。また、資産逃避先の円やスイス フランなどの限られた通貨は価格が上昇している。もう一つの逃避先である金の価格は6年ぶりの高値を付けている。一方で、世界の産業のバロメーターである銅の価格は最近の高値から下落している。
不確実性に直面すると、株式投資家の行き先はアメリカである。その他の国の株式はゴミの中に置き去りにされる。MSCI エマージング市場株価指数はアジアの工場(中国、韓国、台湾)に大量に偏っており、今や台風の目の中にいる(嵐のど真ん中)。 一方で、ヨーロッパの株は銀行や自動車産業に大きく偏っており、今、下落に苦しんでいる。
投資家は。先進国がゆっくり日本のようになりつつあると心配しており、その日本経済は殆ど動かず、インフレを殆ど生まない。 スワップ市場におけるインフレ期待は急激に下落している。2008年の懸念はデフレがその根本にあり、現在もその懸念は残っている。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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