2019/06/11 05:37 | 昨日の出来事から | コメント(0)
FaceCoin登場!?
先週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
暗号通貨マニアの中で、今、興奮が起こっている。世界最大のソーシャル ネットワークのFacebookが来年早々にデジタル 通貨の発行を計画している。しかし、世間はそれほど高い関心を持っていないに違いない。 もし、FacebookがFBCoinあるいはLibbraと言う名のコインを発行すれば、暗号通貨としては地味なものになり、Bitcoinの2倍というよりはBitcoinの半値であろう。
Facebookは、そうした投機に対して否定的なコメントをしているが、彼らに明らかに何かを持っている。去年、暗号通貨に備わったブロック チェーンの力を利用した新しいプリダクト開発担当のSenior ExeecutiveのDavid Marcus氏が就任した。今年4月に、FacebookのボスMark Zuckerberg氏はデベロッパー向けのパーティの中で、「この通貨は、まるで写真を送るかのように簡単に誰かにお金を送金することが出来る」と語った。それはクレジット会社や、商品の売り手、あるいはイングランド中銀総裁Mark Carney氏もその対象となる。
アメリカでは、Facebook messengerのアプリを使って仲間同士で資金を移動することが出来る。しかしそれは、銀行やクレジットカードとリンクした口座間のみである。しかし、今度のブロック チャーンをベースにした新しい通貨は、Facebook自身の通貨である。
Facebookがこうしたステップを取りたい理由がいくつかある。まず、他のグローバル アプリと同様に、容易な支払機能を持たなければならない。例えば中国のWechatの様にある。また、デジタル通貨は、海外からの送金や、銀行口座を持たない発展途上国の多くの人々にとって有効に機能する。 インドが、それが可能になる最初の国になるとう噂されている。もし、Facecoinが知り合い同士だけでなく、商業ベースでも使われるようになれば、現在はカード会社が得ているような決済手数料ビジネスや、より多くの広告収入を得ることが出来る。何故ならは、商品購入がより早くシンプルになるからである。そして、その業界で先端を行くことが出来る。というのも他の支払いシステムはあまりにも手数料が高いからである。しかも(Facebookを通じて行われた)支払いデータは、ユーザーが暗号化されたチャンネルを通じてやり取りされた内容「pivot to Privacy」の喪失を補完することが出来る。
しかし、通貨マニアの興奮にもかかわらず、FintechのアナリストLex Sokolin氏は「この新しい通貨はBitcoinとはかけ離れている」と述べている。というのもFacecoinは誰の手も関与しない他のデジタル通貨とは違うからである。Facebookはデータを集めて、事務手続きを簡素化し、ヘッジ ファンドのような投機家のターゲットになることを避けたいと望んでいる。この通貨は、例えば、かつてのBitcoinのような乱高下を避ける為に、ドルのような既存の通貨にリンクした安定的な通貨となるであろう。ちなみにBitcoinは昨年、3000ドル以下まで売られたが、現在は9,000ドルを回復している。規制当局者は、Bitcoinのようにマネー ローンダリングや他の犯罪に利用されることを心配し、送金に上限を付ける、あるいは、国際的な資金移動について捜査権を付けるなどのより厳しいルールを適用するであろう。
IT業界に詳しいBen Thompsoin氏によれば「それでも、Facebookは、うまく立ち回るであろう」と述べている。今や、Facebookは、毎月24億人の人が利用している。もし、彼らが新しい通貨で購入し、広告を見ることで商品を購入すれば、売り手に対して割引を促すこと出来る。 また、Facebook自身顧客データを活用することが出来る。
まだ、誰もこの分野に参入していない。 しかし、それと似た通貨は存在している。2つのメッセージ アプリを持ったSignalやTelegramもまたデジタル通貨の発行を計画している。更には、支払いカードは先進国では広く使われているし、支払いはオンラインでも広く使われている。 問題は、FaceCoinが、どういう処であれ、本当に必要とされているかどうかである。Facebookが顧客に対して紳士的な態度を取るからといって、ユーザーは彼らの通貨を使う事に対して(中央銀行の発行する通貨以上に)信用するであろうか?
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。