2016/08/23 05:42 | 昨日の出来事から | コメント(1)
エマージング マーケットに底打ち感
先週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
エマージング マーケットは復活してきている。 こんなことを言うと、奇異に捉えられるかもしれないが、1990年代後半から始まったエマージング マーケットの上昇サイクルは、2010年ごろにピークを打ち、今年に入って明らかに底打ち感が出始めている。
確かに2010年以降、投資家はエマージング マーケットに対してネガティブであり続けたし、実際の処、 エマージング マーケットの株式は30%程度、先進国の株式市場対比アンダー パフォームしている。 MSCI エマージング マーケット インデックスとMSCI World Indexを比較しても、2010年にはMSCI World Index対比0.95であったエマージング マーケット インデックスは2016年には0.5まで下落した。 しかしここにきて上昇に転じ始めている。
また、IMFも2016年のエマージング マーケットの経済成長率をそれまでの4%から4.1%に上昇修正している(ここ数年は下方修正ばかりしていた)。 更にIMFは2017年のエマージング マーケットの経済成長率を4.6%と今年よりも更に高い成長率を予想し、ブラジルやロシアの景気後退は2017年には終了するとみている。更に輸出もこれまでは減少傾向にあったが、来年にかけては3%程度増加するとみている。
とはいえ、エマージング マーケットの主力輸出商品の一つである原油は、足元数週間は弱含みで推移している。 しかし他の鉱山商品や農業商品価格は今年に入って落ち着いてきており、これがエマージング マーケットに対して楽観的にさせている。更に。世界的な低金利(ゼロ金利もしくはマイナス金利)が、エマージング マーケットの調達コスト低下に結び付いてプラスに働いている。
しかし、今、こうした楽観的な見方に対する最も大きなリスク(あるいは脅威)は、アメリカの大統領選挙においてドナルド トランプ氏が大統領になる事である。彼は北アメリカ自由貿易協定やWTOの見直しを公言しており、こうした保護貿易主義はエマージング マーケットの国々に大きな打撃を与える。 更にアメリカとその同盟国との安全保障も見直しを公言し、世界銀行は「これによって韓国や台湾が大きなダメージを与え、その一方でロシアだけが得をする」と指摘している。 トランプ氏のこうした発言が、世界の投資家に警戒感を与え、折角、底打ち感の出始めているエマージング マーケットは、これによってひっくり返ってしまう可能性ある。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “エマージング マーケットに底打ち感”
パードゥン にコメントする コメントをキャンセル
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エマージングも中間層が少しずつ育ちましたから、消費経済の
割合が増大するでしょうから、そろそろ持ち直してもいいですね
つけたしのトランプとロシアの話は筋が悪い
グッチーによればアメリカ経済は、日本の失われた子作り20年の間
ヴァイアグラ子作りの20年にはげんで成人人口加速で大発展予想
ですから、誰になってもアメリカ消費の恩恵は世界に及ぶはず
イギリス誌は、以前のように本筋だけの記載をして、
意図あるおまけはやめたほうが世界に尊敬されますね