2015/03/17 05:10 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、労働者の男女格差事情
昨日、豪のロビー活動グループWomen on Boardsが発表した2013年度の豪の代表的な民間上場企業ASX100社における女性取締役の割合を示すBoardroom Diversity Indexは5%改善したものの、ASX300社全体では依然として81社で女性取締役が一人もいないと発表しました。
一方で、連邦政府所有の企業では、過去2年間で女性取締役の割合が0.8%減少して38.5%でしたが、地方の州政府所有の企業では、クイーンズランド州では13.5%、西オーストラリア州では3.2%減少しています。 その一方で、シドニーのあるNSW(ニュー サウス ウェルズ州)では女性取締役の割合が7.2%上昇しています。
これに対して、同グループは「保守的な地域(クイーンズランド州や西オーストラリア州)で女性取締役の数が少ない傾向があるように見えるが、保守的であることだけが必ずしもその理由とは言えない」としています。
また、これは別の報告ですが、豪における男女間の賃金については基本的には同じ労働に対して同じ賃金を支払わなければならないことになっていますが(性別格差禁止法)、実態としては女性の平均賃金は男性の81%程度の賃金と低い水準に留まっています。特に一部の職種(金融やIT等)の専門職では男性の60%程度しか支払われていない職種もあるとの指摘があります。
豪の男女格差是正の動きは、1970年代の白豪主義から多民族主義国家への移行と並行して男女平等政策が推し進められ、1984年に性別格差禁止法が連邦議会で成立し、その後、30年経過してようやくここまで来たのが実情です。
そのオーストラリアの男女格差を世界的に見てみますと、2014年のダボス会議で発表された男女の平等の割合を表す指数「ジェンダー ギャップ指数」によれば、 オーストラリアは142か国中24位です(ちなみに日本は104位です)。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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