2014/03/14 14:58 | 昨日の出来事から | コメント(2)
豪、2月の新規正規雇用者数が8万人増
昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した2月の豪の失業率は前月に続き6%でしたが、正規の新規雇用者数が8万人増加し、これまで発表されてきた豪の自動車メーカー ホルデンや、トヨタ、更はカンタス航空の人員削減数をカバーする形で増加しています。 一方で、非正規雇用者は33,000人減少し、全体では47,000人の雇用増となっています。 その一方で、労働参加率はここ8年で最も低い64.6%に留まり、引き続き仕事を探すことを諦めている人が多くいることを示しています。
内訳として正規の雇用者が8万人増加して805万人となり、非正規雇用者が33,000人減少して3.48万人となっています。 事前のエコノミストの予想は、ここ数か月に亘り失業率が上昇し続けていましたので、今回は若干の改善を予想していましたが、引き続き高止まりする結果となっています。 一方で、失業者数は約1万人増加して742,200にとなり、その内70%は正規雇用を求めています。
地域別では、ヴィクトリア州とニューサウスウェルズ州では失業率が変わりませんでしたが、鉱山関連事業の多い西オーストラリア州とクイーンズランド州では、失業率が5.9%と6.5%とそれぞれ上昇しています。
昨日の雇用統計の内、新規の正規雇用者が8万人増加した事に市場は驚きをもって反応し、為替市場では、豪ドルが対米ドルで0,75ポイント上昇して0.9070ドル近辺まで上昇し、豪株式指数S&P/ASX200は一時。33.7ポイント上昇しました。
今後の見通しについては、RBAと豪財務省では、豪の失業率は引き続き上昇し、今年中には6.5%程度まで上昇するとしています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “豪、2月の新規正規雇用者数が8万人増”
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日本と同じようになりそうですか?
日本の経済学者は日本の状態をうまく説明してくれないので、オーストラリアも日本と同じ道をたどるのか良くわかりませんが、現地におられる実感はどうですか?
いつもお世話になります。
先日いただいたカナダが外国人向け投資家VISAを廃止する話については、前々から取り沙汰されていました。 と言いますのも、ご存じのように、1997年に香港が中国に返還される10年まえぐらいから、大量の中国人がカナダは西海岸を中心に移住しました。 オーストラリアやニュージーランドにも大量に移住し、特に、ニュージーランドの国民の20%近くが、が中国人系アジア人となっています。
一方で、私の住むオーストラリアでの中国人に対する評価は、かつて(100年前頃)は、中国からの賃金の安い労働者が、ここブリスベンでも暴動を起こしたことがありましたが、最近では、中国人マネーがオーストラリアの不動産価格を押し上げるほどまで、オーストラリアの不動産市場にあって中国マネーの存在は欠かせません。 また、観光においても、中国人はオーストラリア最大の観光客であり、これを抜きにしてオーストラリアの観光は成り立ちません。 更に、中国は、オーストラリアにとって鉱山資源を中心に最大の貿易相手国でもあります(結局の処、オーストラリア経済は中国抜きでは成り立たないのが実情です)。
寧ろ、今、オーストラリアでVISAに関する関心事は、インドネシアからの「亡命希望者という名の違法入国者問題」の方が大きいのです(そこは、カナダと大きく違います)。
次に、豪の為替については、パードゥン様は鋭いですねえ~(笑)
実は、私が狙っているのもそこなのです。
オーストラリア経済の現状を見ていますと、1990年代の日本経済にそっくりです。
住宅バブル健在の中、国内企業が、人件費の高さや豪ドル高で輸出産業が次々に撤退して行く姿(豪唯一の自動車メーカー ホルデンの国際生産停止や、カンタス航空の経営危機問題)は、1990年代の日産座間工場閉鎖、JALの経営不振と「瓜二つ」です。
その後、日本経済が辿った道は、ご存じのように長期に亘るデフレの下、大幅な賃金引下げと物価の下落であり、それを暴力的に推し進めたのが猛烈な円高でした。
私は、これに近い現象がいずれオーストラリアでも大なり小なり起こるのではないかと考えています。
従いましてパードゥン様のご明察の通りでございます。