2012/05/25 06:29 | 昨日の出来事から | コメント(3)
ギリシャ再選挙の最悪のシナリオ
今週号の英誌エコノミストに6月18日のギリシャ議会再選挙に後に関するシナリオについて記事がありましたので、ご紹介したいともいます。
既に、市場で織り込み始めているギリシャのユーロ通貨離脱の憶測がここにきて次第に現実味を帯び始めています。 とはいってもユーロ離脱といってもその対応には2つの形態があり、 一つ目は、通貨ユーロから離脱して自国通貨(例えばかつてのドラクマ)を復活させ、引き続きEUに留まるとし、2つ目は、ギリシャは通貨ユーロから離脱すると同時にEUからも離脱すべしとの考えがEUの加盟国の中にあります。
確かに、これだけギリシャ危機に振り回されたEU加盟国としては「もう、これ以上ギリシャに関わりたくない」と思うのも当然ですが、現実問題としては、そこまで強硬的な事態は非現実的です。
その一方で、当のギリシャの内情は惨憺たるもので、特に、ギリシャ大手銀行では、既に3分の1の預金が引きだされ、更に2月の実質的な部分的デフォルトによって保有していたギリシャ国債が大きく毀損して過小資本に陥って新規の貸し出しは出来なくなっています。 仕方なくギリシャ中央銀行は、2月にEUとIMFから受けた資金を当初支払う予定であった公務員の賃金の一部をこれらの銀行に一部転用してしまいました(益々、将来的な資金不足が増大)。
また、読者の皆様もご存じのように、6月18日の再選挙が行われますが、最近の世論調査では「ギリシャ国民の6〜7割は、引き続き通貨としてのユーロを使用する事を希望する一方で、これまでのドイツ主導の財政緊縮政策には反対」と、実質的に借金を踏み倒しておきながら、いまだに自分身勝手な事を言っています。
そして、英誌エコノミストは「次のギリシャ議会再選挙の結果次第によって、ギリシャが通貨としてのユーロ離脱を決定すれば、誰も想像もつかないコストが予想されるが、それならまだいい方で、最悪のシナリオは、今回のギリシャ国民に対する世論調査の結果から窺えるように、次の再選挙でも再び内閣を組閣できない事態に陥る可能性がある(場合によっては、いつまで経っても、ギリシャは何も決められず、他のEU加盟国は、この問題に振り回され続ける)」と懸念しています。
確かに、それって最悪です。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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3 comments on “ギリシャ再選挙の最悪のシナリオ”
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こういうことも考えて、国会議席配分(組閣)ルールを作ってたとしたら、
スゴイ…
ギリシャは・・
トロイの木馬だった・・
ギリシャ神話が・・今も生きている・・・
ネット版。pro とanti では世論調査上五分五分。投資行動を起こすにはリスクが高いか。