2013/07/26 15:29 | 昨日の出来事から | コメント(1)
ビッグ マック インデックスからみた各国為替事情
先週号の英誌エコノミストに、毎度のビッグ マックから見た各国の為替水準に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
このビッグ マック インデックスとは、アメリカでビッグ マック1個を買う価格と、各国の購買力平価で換算したビッグ マックの価格を比較したものです。 これで見てみますと、最も割高なのはノルゥエーで、65%も割高となり、続いてスイスとブラジルが続きます。
今回注目すべきは、最近の米ドル高で、以前のように対米ドルで割高な国はめっきり減って、今やイギリスポンドの-10%、そして日本の-35%と割安な国の通貨が目白押しです。
その中にあって、注目すべきはユーロ圏の為替事情であり、域内各国で格差が広がっています。 と言いますのも、同じ通貨ユーロを使用していても、それぞれの国でビッグ マック1個を買う購買力に大きな差が出てきているのです。 例えば、フィンランドでビッグ マック1個買うと、アメリカのそれに比べて16%も割高である一方で、実質的に財政破綻しているギリシャでは27%も割安になっているのです。
2年前のユーロ危機勃発前のユーロは、対米ドルで21%割高もあり、その中にあってギリシャのそれは15%も割高でした。 しかし、それ以降のユーロ危機によって、今やユーロは対米ドルで僅かに2%割高にとどまる一方で、ギリシャのそれは、2012年に賃金が6%カットされ、今年に入って更に10%も賃金が引き下げられることによって、今や27%も割安となりました。 これによって、労働者は非常に厳しい痛みを尾もまいましたが、その一方でギリシャの労働賃金は国際競争力を急速に回復してきています。
これによってもわかるように、南欧諸国の現状は、北欧諸国の支援が打ち切られて国家財政が破綻するか、それとも自国の労働賃金を引き下げて国際競争力を回復し、それによって経済成長を成し遂げながら財政破綻を回避することが出来るかの胸突き八丁にいることがこのデータからも窺えます。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “ビッグ マック インデックスからみた各国為替事情”
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一般論ですが結局身の丈に合った暮らしをしながら頑張って発展成長していくしかないということ、いつか日本もこれに気づかされることになるんでしようね。