2013/06/21 14:59 | 昨日の出来事から | コメント(1)
アメリカのQE3縮小見通しの影響がオーストラリアにも!?
一昨日のFOMCにおいて、バーナンキ議長は現在の量的金融緩和政策(QE3)の継続を決定しましたが、その一方で、今後、景気が順調に回復すれば、現在の緩和政策を年内にも縮小し、2014年には終了することを示唆しました。
この発言自体は、QE3のおかげでアメリカ経済が着実に回復してきている事を示すものであり、世界経済にとってはまことに結構なことなのですが、その一方で、QE3の負の遺産処理が表面化(一部には既に表面化)してきています。
今週の英誌エコノミストでは、この点に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
まずは、これまで、毎月86bn米ドル(日本で約8.2兆円)もの資産を市場から買い上げたため、債券などの利回りが異常なまでに低下していましたが、QE3縮小見通しをきっかけに債券利回りは上昇(価格は下落)しています(アメリカの10年もの国債の利回りでかつての1.6%から現在は2.2%まで上昇)。
更に問題なのは、これまでのQE3の影響を受けて2009年以来、買われ続けてきたエマージング市場の通貨や債券が、QE3縮小見通しから資金を撤退して大きく売られ始めていることです。 と言いますのも今回のQE3によってばら撒かれた資金の内、約4兆ドル(日本円で380兆円)もの資金がエマージング マーケットに流れたと試算され、今後、その資金がどのくらいの速さでどの程度まで流失するかに関心が集まっています。
例えば、その最たる例として、南アフリカの通貨クルーガー ランドは2013年5月以来9%近く急落しています。 加えてメキシコ ペソ(6%)、ブラジル リラ(5.8%)、インド ルピー(5.3%)と下落し、私の住むオーストラリア ドルも5%近く下落しています。
英誌エコノミストは、「こうした動きはある意味では当然の事であり致し方のないものであるが、ただでさえ脆弱なエマージング マーケット市場において、大国の都合に振り回されて急激な資金の引き上げが一気に起これば、その国の金融市場が混乱に陥り、それが更なる他の国の金融不安を引き起こす危険性を孕んでいる」と警告しています。
ミセス ワタナベ 様、 お手元のクルーガー ランド、ブラジル リラは大丈夫でしょうか?
えっ?! 余計なお世話だ!それより自分の豪ドルの事を心配しろ!!
ははっ! これは、失礼しました!
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One comment on “アメリカのQE3縮小見通しの影響がオーストラリアにも!?”
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とっくに・・
円・・・(笑)