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2013/05/09 15:03  | 昨日の出来事から |  コメント(2)

「人道的立場」に苦しむオーストラリア?!


おはようございます。

最近、オーストラリアでは、インドネシアから船で流れ着く多くの亡命希望者(Asylum seeker)に関する議論が盛んにおこなわれています。 と言いますのも、その数字が半端でなくなってきているのです!

例えば、私がオーストラリアに移住した2008年には、不法侵入してオーストラリアに辿り着いた船の数は7隻で難民の数は僅かに179人でした。 しかし、その後はウナギのぼりで不法侵入する船とその難民の数は増え続け、2012年には不法侵入船の数は274隻で、難民数は何と17,270人にまで急上昇しています。 これはほぼ1日に1隻はオーストラリアに不法侵入する船がある計算になり、まるで不法侵入船が定期便化してしまっているのです。

その結果、2008年から2012年までの累計ベースでは、不法侵入船の数は546隻となり、不法侵入者の数は31,924人となり、この間にこうした不法侵入船を監視するための沿岸警備と不法侵入者の保護管理する為の費用は AUD6.6bn(日本円で約6600億円)まで急増しました。 当然のことながらこれらの費用はオーストラリア人の税金で賄われ、この金額の大きさに国民の怒りが爆発しています。

そもそもは、この難民問題の発端は、2008年に発足したケビン ラッド政権(労働党とグリーン党連合)が、 当時、流れ着いた僅か数十人の亡命希望者を「人道的立場」から、更には同盟を組むグリーン党の強い主張もあって、受けて入れてしまったことにあります。

その後は、インドネシアを中心に難民を斡旋する業者が続々と現れ、一気に難民の数が増加し、「人道的立場」とはいえ、ここまで急増するとは予想していなかった現政権(労働党)の「人道的立場」が「ぐらつき」、そこからこの難民問題の迷走が始まります。 

自国の沿岸警備を強化することを当然のことながら、インドネシア政府に資金援援助して難民斡旋業者の取り締まりや、不法国外脱出を図る船の取り締まりを依頼しますが、そもそも漁に出る船とオーストラリアに亡命してくる船とは殆ど見分けがつかず、インドネシア政府は公には取り締まりを約束していますが、実態的には放置に近いといわれても仕方がない状態です。

また、オーストラリアに流れついた難民の取り扱いを巡っても、国連や国際人権団体からその待遇の悪さを指摘され、オーストラリア政府にしてみれば、「人道的立場」という善意で始めた難民受け入れが、今度は「その難民の取り扱いが悪い!」と国際社会から非難されては、もうやるかた憤懣ないのです。

さて、この難民問題ですが、いつものことながら 一度「人道的立場」と言って少しでも受け入れてしまうと、今度は堰を切った水のようにどっと流れ込んでどうしようもなくなってしまうのは、古今東西を問わす歴史の語る処であり、今回のオーストラリアも難民問題も全く同じです。

今回のオーストラリアのように、途中で「人道的立場」がぐらつき、揚句には現政権運営を揺るがすまでに迷走している姿を見ていると、 この「人道的立場」という言葉の響きの良さの陰には、その言葉の「重み(費用)」と、「人道的立場」とはかけ離れた落とし穴(悪徳斡旋業者の存在と、本来的には亡命する必要のない単なる移民目当ての人までが不法侵入してくる問題」が潜んでいることを私たちはよくよく考える必要がありそうです。

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2 comments on “「人道的立場」に苦しむオーストラリア?!
  1. st より
    教訓にしないといけませんね。

    反日教育をしているような中国や韓国や北朝鮮に人道的立場でなんか考えている日本人はお人好しお目出度い人を通り越して愚の骨頂ですね。

  2. ペルドン より
    それは・・

    ユーロ・・
    諸国の話でしょうか・・・?(笑)

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