2012/09/14 06:43 | 昨日の出来事から | コメント(3)
ドイツ憲法裁判所は認めたが、、、、
一昨日(9月12日)、これまでの最大の懸案事項であったドイツ憲法裁判所は、一定の条件の下でヨーロッパ安定メカニズム(ESM)を認める決定をしたことで、目先的には債務危機の沈静化や、ユーロ圏の安定化に向けて一つの大きな壁を越えた安堵感が市場内に広がっています。
確かに、これが否決された時の混乱を考えれば、ドイツ憲法裁判所が認める決定をしたことは歓迎すべきことに違いはありませんが、英誌エコノミストは、EUの当事者(特に政治家)が「このままの現状を維持すればいいのではないか」といった考えに傾きつつあることに強い警鐘を鳴らしています。
今回の決定によって、ECBがヨーロッパの財政危機に直面している国々の国債を買い支え、今後、具体化するユーロ圏内の銀行の管理監督の一元化を行えば、目先的な国家財政の破綻や、銀行の連鎖倒産は回避できますが、肝心絡めのその国の財政再建や経済の立て直しは、こうした事とは全く別の問題で、しかるべき施策がなされるべきであるにもかかわらず、こうした政策が実行されていません(ギリシャは、もう死に体であり、スペインも財政緊縮策に大規模デモが起こり、それはギリシャのデ=ジャ=ブ(既視再現)そのものです。
EUの政治家や中央銀行の担当者たちは「2年前のギリシャ危機の際に打ち出した様々な政策は、あくまでも目先の危機を回避して本格的な財政再建を軌道に乗せるための時間稼ぎの政策であった」ことを嫌というほど思い知らされたにもかかわらず、今回もまた、「貴重な時間稼ぎの期間」を有効に使おうとしていないと指摘しています。
英誌エコノミストは、「もし、(ドイツの)メルケル首相と(フランスの)オランド大統領が、今回も、本来やるべき施策を打ち出さずに何もしないならば、次の危機の際には、それはユーロの運命そのものにかかわるものであり、もうコントロールできないであろう」と警告しています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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3 comments on “ドイツ憲法裁判所は認めたが、、、、”
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財政再建の道筋も示さず、嘘を言い続けられたら、もう終わりですね、日本も既成政党と官僚には政治行政を任せられません。
独逸憲法裁判所付けた・・
詳細な条件・・
十月か十一月にならねば・・
分からない・・とか・・
これが・・よく分からない・・
にしても・・
ドラギが豪語した・・無制限・・短期債権・・買いまくり・・
独逸議会承認必要・・
すんなり・・認めらるか・・不明・・
メルケルも・・十三階段の何段目かも・・不明・・
EU・・
ヨーロッパ合衆国になる前に・・ユーロ崩壊・・
確実性・・真実味ある・・・
本日の講演、お疲れ様でした。とても良かったです。
前橋さんの講演も期待してましたよ。あんなに謙遜すること無いのに、と思いました。
また、予想される情況を分析して、それに沿った話をする…
ものごとに対処する姿勢において、これが一番勉強になりました。
短期トレードはゼロサムだから、収益プラスの人がいればマイナスの人も必ずいる。
そして「情報の面からも時間軸の面かも、草刈り場はまさに・・・なのですよ。」
いやあ、非常に勉強になりました。