2011/12/13 06:58 | 昨日の出来事から | コメント(4)
中国は、沈まない?!
先週末から昨日にかけて、オーストラリアの国内旅行をしながら、日本に帰ってきました。
途中で、クイーンズランド州北端のケアンズに寄り、近くの島(グリーン島)に日帰りツアーをした時の事です。
朝一番に乗船した300人乗りの船には、どっと200人以上の中国人が乗り込み、ご存じのように、あのわめきたてるような中国語が船室に充満し、前日、夜遅くまでウィークリー ミーティングを書いていて寝不足気味でうたたねをしていた私は、「今、自分は香港からマカオ行きのフェリーに乗っているのか?」と錯覚するほどでした。
しかも、各テーブルでは、中国人の中年のご夫人達が、一組5〜6人であちこちに分かれて大声を張り上げてトランプに夢中。 そこには殿方の姿はなく、殿方とはと言えば、船室の隅の方に固まって、虚ろな顔で外を眺めています。 一方で、中国人の若者はと言いますと、多くはI-phoneでゲームがインターネットに熱中し、そこに世代間の大きなギャップを感じました。
さて、島について、私はシュノーケリングを楽しんで、昼食を取ろうとフード コートに入ってみますと、何と、船でトランプ ゲームに熱中だったご夫人たちは、そこのテーブルでもトランプ ゲームに熱中しているのです。それどころか、行きの船でやっていた頃に比べて、更に熱が入り、ヴォルテージが益々上がっている様子。
「さて、ご主人たちは、どうしているのだろう?」と辺りを見渡すと、ご婦人たちがテーブルを占拠しているため、外のベンチでトランプ ゲームを始め、今度はベンチが足りないのか、地面に座り込んでトランプ ゲームを始める有様。
「この人たちは、ここに一体、何をしに来たのだろう?!」と私は呆れて見ていたのですが、「休暇をどう過ごそうと、その人の勝手なのだから、今や、世界第2位のGDPを誇る中国人に対して、世界第3に転落した日本人の余計なおせっかいは不要か」と思いつつ、午後もシュノーケルを楽しんだのでした。
夕方近くになって帰りの船に戻り、船内の扉を開けた時、私は、船内のその異様な姿に圧倒されたのでした。 何と、朝から、トランプ ゲームを始めていた中年のご夫人方が、今度は、テーブルによじ登りようにしてトランプ ゲームをやっているのです。 中には背中や下着も露わに熱中している姿を、殿方や子供達が心配そうに観戦し、マカオのカジノ顔負けの熱気。 遂には、ご夫人方の声はしゃがれてかすれしまい、それでも渾身の力を振り絞って「ロ〜ン!!」と張り上げれば、「おお〜っ」とどよめきと拍手が起こり、その一方では溜息交じりの中国語が聞こえてきます。
その異様な光景に客室乗務員に「あれは、一体、何だ?それに、あのマナーは何だ?!」と詰問すれば、彼らは、「毎日、いつもそうだよ」とにべもない様子。 更に「不思議な事に乗船してくる中国人は毎日違うにもかかわらず、毎日、同じ光景なんだ。」と首をすくめてにこりとし、「以前は、日本人観光客が多かったが、今のケアンズの観光客の80%は中国人。彼らは、ケアンズにとっては大事なカスタマーなのさ。来年は、中国人専用の船を用意することも検討している」と中国人相手のビジネスに益々傾倒しているようです。
今、世間では中国経済が、今後、失速するといった議論がありますが、彼らの“今日の熱き一日”を見ていた私は「そんなことは、ありあえない!」と確信したのでした。 彼らのあのパワー、そしてあの数。 しかも、大陸には、まだ中国の経済成長の恩恵にあやかれていない中国人が何億人も待っています。 漢詩にもあるように「中原(中国大陸)に、ひとたび(経済成長の)火の手が上がれば、それは中国全土に広がり、そして燃え尽きるまでその火は消えることはない」とあるように、「中国とはそういう国であり、故に、中国は、そう簡単には景気の火の手は消えない(沈まない)!!」 というのが、私の実感でした。
その一方で、「今、日本に必要なのは、年金でもなければ介護保険でもなく、周りの見境もなく、それこそ下着も露わにしてテーブルによじ登り、更には声もしゃがれるまで皆で盛り上がるあの熱狂的なパワーではないか」と思うと同時に、残念ながら自分にはもう彼らのようなパワーが無いことを思い知らされ、悔しくて仕方がありませんでした。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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4 comments on “中国は、沈まない?!”
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羨ましいパワーですね。高度成長期の日本もそうだったのでしょうか。物議を醸した農協ツアーなんてのがありましたが、あれはあれで当地国にとってはグッドカスタマーだったんでしょうね。
未来と若者を信じましょう。
そして自分の道を行きましょう。
四十年程前、友達に聞いたのですが、タイで農協の旗を掲げたおじさん連中が朝、ホテルで両側にタイ美人をはべらせ団扇をあおがせながらステテコ姿で朝食をとっているのを見ていて、同じ日本人かと思うと恥ずかしくて顔を上げられなかったと言っていました、売春ツアーのことだったのでしょう。国益を損ねてまで高い関税と補助金で農協と米農家を守って遣らないといけないのかなあ、まったく守る必要はないと思うが。
では・・
そのような・・ハイパワーの中国女性を・・
伴侶の伴か・・愛人か・・
補えますぞ・・・