2014/02/05 15:34 | 昨日の出来事から | コメント(2)
RBA、金融政策を緩和から中立へ?!
昨日、RBAは定例理事会を開催し、現在の政策金利2.5%の据え置きを決定しましたが。その後のGlenn Stevens総裁の声明の中で、現在の金融緩和政策を継続することに警戒感を示し、市場は「当面、これ以上の金融緩和はない」との見方に大きく転換しました。
主な声明の内容は以下の通りです。
(1) 我々は今日の理事会で現在の政策金利2.5%を据え置くことを決定した。
(2) しかし、2013年第4四半期のインフレ率は、我々の中期的に目標とするインフレ率2~3%のレンジを越えるものであり、更に、2013年中における豪ドル水準は、対米ドル対比15%の下落しており、これを勘案すれば、インフレ率は更に上昇することが予想される。
(3) 豪ドルが、今後、暴落しない程度に更に下落すれば、明らかに豪経済を下支えする要因となるであろう(更なる政策金利の引き下げの必要なし)。
これを受けて、市場関係者は「2013年第4四半期のインフレ率がRBAの目標とするレンジ(2~3%)を越えたことが、RBAは金融政策のスタンスを大きく変え、「今後、数か月間においても金融緩和の可能性はなくなった」との見方が広がっています。
また、RP Data National researchのディレクターTim Lawless氏も「我々は、豪の住宅市場は現在の金利の低い住宅ローン金利を背景に堅調に推移すると予想しており、更なる政策金利の引き下げは、調子の良すぎる話かも知れない(an outside bet at the best)」とコメントしています。
また、お隣の国、ニュージーランドでは、住宅価格の上昇と酪農ブームが加速しており、ニュージーランド中銀は来月にも政策金利を引き上げると予想されています。 またコモンウェルスの法主国イギリスにおいても、イギリス中銀は、早晩、政策金利を引き上げるかもしれないとのシグナルを市場に発信しており、 こうした事も、RBAが政策金利の引き下げに対して慎重にさせているようです。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “RBA、金融政策を緩和から中立へ?!”
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ニュージーランド中銀は来月にも政策金利を引き下げると予想されています。
引き上げの間違えですか?
いつもお世話になります。
大変失礼しました。
ご指摘の通り、引き上げの間違いでございます。
訂正とお詫び申し上げます。
前橋