ブログ記者によるオンライン新聞 グッチーポスト

The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2018/04/17 08:28  | コラム |  コメント(0)

泣きながら走るか

追突されてから一ヵ月経ち・・車は修理され・バンパーは新品に・サイドの広範囲の擦り傷は再塗装され・・つまり御尻の左半分はピカピカで戻ってきた。僕が乗っていない時・・ぶつかって欲しい処が右側に残っている。まだ残っているが・・腰痛もまだ残っている。

だが一月余り経ったので・・そろそろスポクラでストレッチや軽い準備運動で・体に回復の塩梅をお伺いをせねばならない。40歳の高点はまだまだ遠いのだ。

一月ぶりのスポクラは新鮮だった。メンバーの面も男女ともほぼ変動がない。常連が毎日金時飴の様に・・同じ運動をしている。その中で・・刺激物が居なくなってしまっていたのは残念だった。

刺激物とは五十代の未亡人・・美人ではなかったが・余った人生を運動に捧げていた。
週四回はプールで泳ぎ・・サボらない様にグループに入り・泳ぎを満喫した後・ベンツCワゴンを颯爽と運転・このスポクラに現れ・更に体を磨き上げていた。その成果で見事な程贅肉は無く・・
肉体は引き締まり・お尻は立体的だった。

好みから言えば・・胸の膨らみが・もう少し出ている方が美的バランスが取れていると・・密かなる個人的な評価を下していた。
観察するに・・明らかに彼女は再婚を諦めていなかった。

全身から汗と共にその野心を発散・滴らせていた。人生はまだまだあるんだという信念に燃えている女性は・・とかく挑発的で魅力的だ。それに・・姉さん女房のように・上から話す会話口調には擽られた。年上の男は面白かった。
それは彼女が好意的だと言う意味だろうと・・勝手に解釈した。

奥方はお気に召さなかった。
「水泳の彼女」
と奥方は彼女の名前を知らないので・・代名詞で呼んでいた。
「わたくしにとっても意地悪なのよっ」
「それは君の方が・・数ミリオッパイが大きいからじゃないかな」
「違うわ。お風呂で一緒になった時・・貴方がブラ代わりに絆創膏を張ればと言うのよと教えたら・・それは酷いと怒っていたわ」
「じゃ君の黒髪が妬ましいのじゃ」
「彼女はカツラよ・・あのカツラ高いわね」
僕は急いで水泳の彼女の見事な黒髪を思い浮かべ・・丸禿の頭を連想してみた。それでも首から下の評価は変わらなかった。首が無くても・・ギリシャ彫刻の女性像は魅力的ではないか。

その彼女も孫が生まれ・初孫には勝てなかったらしい。思わぬ伏兵に敗れ・・孫の世話をすると言う縄文時代からの歴史と伝統には・逃れられなかったらしい。野心家の未亡人から野心が喪失・一大決心の末に・・只のおばあさんと変貌を決めたらしい。
この審美的再婚コースから脱落し・・折角のキャリアを放棄したのは・つくづく惜しまれる。

僕はストレッチ台の上で・・手探りで体を伸ばしてみる。思った程・・体が硬くなっていなかった。腰に膏薬のように張り付けたホッカロン効果だろう。
見知らぬ長身痩身の30代の新入りが・・ランニングマシーンで走っている。元気だなとある種の羨望を感じた。あんなに走れた時もあった。昔はよかったと愚痴が出る。レミニセンスバンプ効果だ。
熱心に体を揉み解すと・・少しずつ気分が高揚してきた。高揚した処で・・場所を移り内定筋強化器に乗る。負荷を最低にしてやってみる。これなら出来そうだ・・やるぞと奮い立った処で止める。体内センサーではなく・・脳の知性を頼る事にした。
自転車に乗る。当然最低の負荷だ。20分踏んでみる。何かいつもの雰囲気ではない。腰がグニャグニャしている。こいつはヤバい。よろけるように休憩用長椅子に座る。
僕の斜め前では・・まだ長距離ランナーが機械の上を疾走している。ウオーキングから始まり・・競歩・ジョッキング・ランニングと変わり・・一時間を越している。

今では全力疾走状態だ。ランニングマシンが金切り音をたてている。こんな速さだとわずかなミスで体が・・後ろに飛んでしまう。文字通りカタパルトから打ち出された様に・・体がすっ飛ぶ。一度東京のスポクラで目撃した。あの時はそんな場合に備えて・・マシンの後ろには十分な空間が用意されていた。ここはそんな空き地がない。打ち出されれば・・何らかの器具と激突する羽目になる。二度ばかり・・インストラクターには注意したが・・頷くだけで・・改善はされていない。

僕は呆れながら全力疾走を観ていた。
20分は経過している。マラソンマンに敬意を抱いた。どこかのマラソン選手だろうと考えた。
敬意は尊敬に変わった。実の処・・特攻隊を観ている心地だった。
突然すすり泣きが聞こえた。
運動をしていなかった報いで・・軽度な運動でも幻聴をきたしたのかと考えた。すすり泣きは今や・・押しも押されぬ泣き声に変わった。幻聴ではない。ランニングマシーンから聞こえてくる。マラソン男が泣いているのだ。間違いない。泣きながら猛スピードを緩めないのだ。機械は呻き吠えている。鳴き声と吠え声どちらが勝つのか・・さっぱりわからなかった。

男の泣き声なんて・・映画以外で聞いたことがない。今・・本物の泣き声を聴いている。特攻隊員の泣き声を聴いている。
僕は茫然として聞いていた。
こんなに泣きながら・・苦しくて泣きながら・・走らなけばならないのか・・駆けなければならないのか・・
マラトンの勝利を告げる戦士がアテネ目指してかけた時も・・こんな風に泣きながらは駆けたのだろうか・・何故貴族が足用にした騎馬を拝借しなかつたのか・? 馬に乗れないのなら貴族が・・何故名誉の使者にならなかったのか・?
あの当時の重装歩兵が・・40K程度駆けただけで死ぬ程・ヤワだったとは思えないが等・
日本のザトペックを観ながら・僕は自問自答している。コイツはベッドか布団の中でも・・全力を挙げて励みながら・共に啼くのだろうかとも考えた。

関白殿も走らないが・この様に泣きながら・官邸を彷徨っているのだろうか・?・・・
( ^ω^)・(笑

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