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The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2017/10/16 09:58  | コラム |  コメント(0)

カエサルの御用神託②

暗殺が起こる数日前・・カエサルは太った牡牛を生贄に捧げた。
臓卜占い師ウェストリキウスが・・腑分けの儀式を行った処・・牛には心臓が無かった。占い師でなくとも・・これはエライ事だと判る。当然ウェストキリウスは・・カエサルに不吉だと進言した。

カエサルの知恵と生命が失われる恐れがある・・と言うのも心臓から双方もたらされる・・と考えられていたからだ。それだけではなかった。その供物牛の肝臓には・・あるべき錐体突起が欠けていた。大凶・・掛け値なしの悪運の兆しだった。

だが・・カエサルは気にも留めなかった。カエサルの知性からすれば・・心臓のない牛がこれだけ丸々太れる訳がないし・・歩けるはずもない・・生きてもおれない・・政敵が又小細工を施したのだろうと判断したからだ。
しかし・・
緊張した只ならぬ雰囲気が生まれた。にも拘わらず・・カエサルは忠告を無視し・・元老院に出かけ暗殺に倒れた。アントニウスは相当感が鈍い男だったのだろう。
それに比べ・・このカエサルの腸卜占いは・・キケロに深い衝撃を与えたらしく・・「予言について」と言う著作を書いている。

腸卜師が執り行う内臓占い・・ハルスピキナはラテン語ではなく・・語源はエトルリア語と思われるが・・「内臓観察」という意味があるらしい。
この神託法はエトルリア人から・・ローマはそのまま引き継いでいた。
ローマの王は・・当時隆盛を誇ったエトルリア人だった。有力者の娘を凌辱した王が・・激怒したローマ人から追い出されてから・・元老院がローマを支配した。

内臓観察はバビロンから発しているとされているが・・源はシュメールである可能性がある。トロイに伝達しているから・・トロイ人の先祖はシュメール人だったとも考えられる。
エトルリア人はトロイ滅亡後イタリアに逃れたとの伝承がある。ローマ人も先祖はトロイ人と信じ・・ローマ人によるトロイ観光は人気コースだった。
ではこの予言技術が・・何故ローマ人に伝わらなかったのかと・・考えればローマ人に神官階級が居なかったからではとなる。

ローマがエトルリアを合併した後も・・腸卜占いはエトルリア人に任せていた。簡単な技術ではなく・・エトルリアの貴族階級に伝わった秘伝だったので・・ローマは手を出せなかった。
帝政時代までは・・エトルリア人が未来占いを一手に引き受け・・多くは官職とされ・・恩給をうける資格があった。

彼等の名望は第2回ポエニ戦争以来・・高まり重きを置かれるようになった。BC2年頃には・・シビュレの書よりも・・腸卜予言の方が・・重要問題に多く対処するようになっていた。
そして・・最初の王ロムスの王位就任を手助けした・・鳥占い師も共和国末期まで・・役目を果たしていたが・・誰も気にする事は無かった。

鳥占い師は神の兆しの解釈人だった。鳥占い師は未来を予言するのでは無く・・自然現象の助けを借りて・・神意に適った諸行為を伺った。アウグストウス帝の友人だった歴史家リウィウスは・・著作「ローマ史」の中で・・鳥占いの事を書いている。

伝説の二代目ローマ王スマ・ポンピりウスの王位就任に関してだ。
「一人の鳥占い師・・後に人々は敬意を表して・・その職務を永続的且つ公式の祭司職に昇格させた。

鳥占い師はスマを丘の上に連れて行った。スマは石の上に座り・・南に面した。預言者はスマの左に座り・・右手に節の無い笏杖を持ってスマの頭を覆った。
この様な笏杖をリトゥウスと言った。

鳥占い師は町に目をやり・・広野を見渡し・・神々に呼びかけ・・東から西へと方位を指示した。そして右側を真昼・・左側を真夜中と名付け・・その境界とし・・目の届く限り遠くの目標まで・・想像の中で自分自身をさし渡した。
ついで預言者は・・笏杖を右手から左手に持ち替えて・・右手をスマの頭に載せて祈った。

『ユピテルよ! 父よ!今私が頭に触れている・・このスマ・ポンピりウスがローマの王になる事が・・神意に適いますならば・・
私が差し渡しております境界の内側に・・明らかなる徴を示したまえ』

こうして預言者は・・授けられたものと看做した鳥占いを・・執行した」

キケロの知性は辛辣に揶揄ったが・・キケロ以上に知的だったカエサルは・・沈黙を守っていたが・・鳥占い等の元締めの神官・最高神祇官だったから・・キケロのように軽々しく口を開く事は出来なかった。最高神祇官は終身制で・・最高の公邸も与えられ・・権威が最もあった。貴族階級から選出され・・キケロは平民出だった。オウグストウスも最高神祇官になった。

吉兆の兆しとは・・籠に入れた多くの鳥を吉の方角に・・飛び立たせるのが・・一般的なやり方だった。この職は選挙で選ばれたが・・何時の時代でも・・選挙には多額の金がかかった。カエサルはクラッススから莫大な借金をして・・勝ち抜いた。

鳥占いの吉兆は・・ローマの機密だったから・・鳥占い師以外知らなかった。前兆の兆しの解釈は複雑で・・こまごまとした教義があって・・鳥占い師に伝承されていた。
ローマの重要な国事の際は・・鳥占い師に卜させる事が義務付けられていた。鳥占いの判断で・・初めて遠征や戦争が執り行われた。

楽な商売と考えてはいけない。詳細なる報告書と・・その占いが当たったか否かも・・採点表を書き込まねばならなかった・・・

( ^ω^)・・・(笑

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