ブログ記者によるオンライン新聞 グッチーポスト

The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2017/09/09 20:47  | コラム |  コメント(2)

トイレットペーパー②

僕が子供の頃・・田舎に行けば便所には新聞紙が置いてあったし・・街中の公衆便所にも新聞紙は・・馴染みの尻ふきだった。
だから・・便所で新聞紙や雑誌の備品には馴染んでいた。生活水準が少し上昇し始めると・・新聞紙は姿を消し・・新聞紙に負けないゴワゴワの便所紙が出現した。生では使えない程で・・忍耐強く紙を揉み解さねばならなかった。

新婚ほやほやでもなく・・かと言って倦怠感を帯びる程・・古びていない・・丁度適切な頃・・奥方と一月余り欧州を自動車旅行した。アンドラからピレネー山脈を抜け・・プロバンスをすっ飛ばしていた。プロバンスはスペインと異なり・・風景までも洗練されていて・・田舎道も風情があった。
「トイレに行きたい」
奥方が突然口に出す。お易い御用だと亭主は・・アクセルを踏むが・・トイレが見当たらないのだ。日本だと立ちどころに出現するトイレがないのだ。やっと田舎町に入り込んだから・・カフェや酒場ぐらいはあるだろうと・・亭主は高をくくったが・・無いのだ。映画やテレビなら都合よくドンピシャリ・・適切な店が現われるのだが・・やっと小さなケーキ屋と出会った。彼女はケーキを買って・・トイレを借りてくると車を出て行った。直にケーキの箱を抱え戻って来た。そこで公衆トイレを教えられたらしい。
彼女の指示通り車を走らせる。奥方の顔色が青ざめた。凍り付くような時間だった。
だが日頃から不倫もせず・・奥方を崇め奉っている善行を・・神はお認めになられたのだろう。
突如・・丘の道を登ると道を横切る大きな川が出現した。橋が架かっている。
僕は急ブレーキを踏んで橋の袂で車を止めた。

道から細い小路が・・川に突き出た小屋に向かっている。トイレとも表示されていないが・・こんな小屋はトイレ以外解釈しようがないではないか。一人がやっと入れそうな・・中世風粗末な小屋で・・川に突き出ているのだ。

奥方はアスリートのように小屋に突進した。不幸にしてトイレでないとしても・・彼女には選択の余地はなかった。僕は車から降りて・・
小路を歩き・・奥方が消えた小屋を観察する。車内からは川に突き出たように見えていた小屋が・・川岸に立っていた。時に揉まれきって・・中々の風情があった。ローマ時代ではないかと思わせた。
奥方がやっと現れた。顔色が人並みに戻っていたから・・トイレ以外の何物でもなかったのだろう。
「立ちション初めてしたわ」
奥方は回顧録を記述するように呟いた。
「えぇ」
僕は驚いて・・彼女の顔と古風なトイレを代わる代わる見つめた。
「便器はなかったのか」
「ないわ」
と奥方は勢いよく否定する。
「穴があるだけか」
亭主は過去を思い出した。
「いいえ・・立派な水洗よ・・勢いがある30㎝程の流れよ」
「へぇ見かけによらないんだな」
僕は素直に感心する。
「その流れの両脇の土の上に・・二枚の板が置いてあるの。その板の上に足を乗せ・・立って用を足すのよ」
「きっとローマ時代の水洗トイレだな」
好奇心に駆られた僕は・・ローマ時代のトイレの戸を開け・・覗き込んだ。奥方の説明通りの内部だった。川から引き込まれたのだろう。滔々と水流は流れている。二枚板が土の上に載せられている。
しかし・・周りの板壁の下部が無いのだ。省略されている。屈めばお尻が見え見えになる上に・・流れが急だから屈みすぎると・・お尻を盛り上がった水流が洗ってくれる。微妙な角度の調整が必要だった。一見さんは立って用を果たす以外術はなかった。
「大だったら・・どうやって済ますんだろう。想像できるけれど」
僕は素朴な疑問を呈した。
「時間はあるからトライしてみたら」
奥方は冷ややかに言った。
この古風な羅馬伝統のトイレには・・四角に切ったお馴染みの新聞紙が・・風で揺れていた。トイレの中でさえ・・フランス語の勉強が出来るように・・取り図られているのだろうが・・柔らかいトイレットペーパーに馴染んだお尻には・・回顧するだけで充分だった・・・( ^ω^)・・・(笑

2 comments on “トイレットペーパー②
  1. おののののか より:
    トイレ先進国

    いつからですかね、ちょっと広めのトイレに本棚を入れたりして、インテリア空間化したりしたのは。あまり広くてはトイレの雰囲気がでない。新書・文庫など読むのにぴったり。私もトイレで読んでいる。とても楽しい。至福の時だ。外に出たくなくなる。気分転換にもなる。心理学者が気分を上手く説明してくれないだろうか。トイレの進化は日本人が一番享受できる。ペーパーも突出している。こんなに多機能にしては、外国人に驚かれるのは当然だ。これにはちょっと付いていけなくなった。

    しかし日本も汲み取り、和式便所だったのだ。田舎の香水の時代が懐かしい。知らないうちに洋式トイレしか使えなくなった。なんという変わり方。
    いろいろ見てきたぺルドンさんのトイレシリーズ、いろいろあるだろうな。一般的に日本は突出し過ぎていませんか。

    稀に見る・・清潔好きの天性に恵まれているのでしょう・・
    坐る座がなく・・立ちながら用を足すスタイルは・・トプカビ宮殿近くにある庶民的なホテル・・やき鯖に当たって・・立ちぱなしのトイレ住まいだった・・・( ^ω^)・・・(笑

  2. おののののか より:
    立ちながら用をたす

    海外で困るのはやはりこういうことが多いが、立ちながら用を足すというのは言葉では理解できない。笑 トイレシリーズ面白そうだ。
    ぺルドンさんも新築の折は、夫婦専用のインテリアトイレを2階の寝室の隣にでも作って、新書読みに使ったらどうでしょう。左側面に縦長の窓が必要ですね。手洗いしてから読めばいいのでは。当然小も座ってします。便座は思うより汚いものではないらしい。高さがちょうどいいんでしょうね。トイレを含めた住環境が進んだんですよ。私も真似で嵌ったのですが。そのうちユニットで売れれば面白いなと思います。笑

    僕は一度真面目に・・トイレに坪庭を造り・・滝を造り・・
    小は滝壺に‥小川に・・坪庭には便器を置く・・座ってゆつたりと坪庭を愛でる・・そんなアイデァあったのですが・・・・・・( ^ω^)・・・(笑

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