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The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2009/08/28 00:00  | 言いたい放題 |  コメント(0)

風は何色?

根が天邪鬼のためか『風』が嫌いである。子供のころは『神風』が最後には吹いてきて日本はこの戦争に必ず勝つと教えられ、無邪気にその気でいたのだが風は相手に吹いていたようで、当時住んでいた満州はソ連にあっさり占領され大変な目にあってしまった。
 大人になり相場に関係する仕事に入ったが、ここも『風』によって大きく左右される場所であり、根拠のない熱狂や暴落を散散経験してきた。
政治にいたっては相場以上に「風」が支配するようで、風で動く人気ほどあてにならないものは無い有様を散散見てきた。
 田中角栄氏が首相になったころはNYに居たために選挙には行ってはいないが、当時の日本は列島大改造で大きく変わる、それを可能にしてくれるのが田中首相であり、昭和の今太閤だという『風』が吹き荒れていた。とても今太閤なんかではないのではないかなんて異議を差し挟める雰囲気ではなかった。
 なかでもマスコミの騒ぎ方は今のシャブタレント騒ぎなんてものではなく「コンピュター付きブルドザー」とまるで救世主のように誉めたたえたのだが、金権疑惑が出てきて風が変わるや否や一転して大逆風もいいところで、これでもか、これでもかと叩きに叩いてとことん貶めてしまった。
 その風は今もまた吹いているようで、たった4年前には『改革無くして成長なし』というスローガンに酔い、中味も確かめずに『淳ちゃん』と金切り声を上げ、自民党に大勝をもたらしチルドレンが先生と呼ばれるような政治家が沢山生まれ、なんともみっともない政治にしてしまった。
 そして今度はまた懲りもせず風に煽られているようだ。これでまた自民党に代わって反対側の政党にチルドレンがごっそり出てくるのだろう。そしてツケはいずれ国民に必ず回ってくる。
 風が吹く中で誰がまともなことを言っているかと、改めてマニフエストなるものをしっかり読んで見たが、『風』目当ての心地いい言葉は沢山並んでいるが10年後、20年後の日本の姿がさっぱり見えてこない。かえって泡沫扱いをマスコミにからかわれている候補者のほうが、よほどしっかりしている。どうせ駄目なら駄目でもしっかり言っておきたいと、かえって肝が据わっているのかもしれない。
 物書き、評論を業としているため如何に大衆の人気の儚さやマスコミの移り気はよくわかっているが、そのため事務所の壁にはこんな戒めを貼って何時も自分に言い聞かせている。それはアメリカの田舎のドライブインで偶然見つけて気に入ったもの。当然英語だがそこにはこう書いてある。

「When I am Right, No One Remembers. When I am Wrong, No One Forgets.」
『自分が正しかったときは誰も覚えてくれていない、自分が間違えた時は誰も忘れてくれない』

 そのとおりで世に吹く『風』とは所詮こんなもの。せめて自分は風になびいているのか、それとも自分で考えているのか、いったいいま吹いている風は正しい方向に吹いているかぐらいは考えてみたいものだ。
 相場もそうだろう。ご近所様や友人が株で儲けているからと、居てもたってもいられずに相場に飛び込んだらろくな結果になるはずも無い。
明日は明日の風が吹くといわれるように『風』ほど、あてにならないものは無いのである。
 せめてバンクライバーン国際ピアノコンテストで優勝したあの盲目のピアニスト辻井伸之さんがお母さんに聞いたといわれている「今日の風は何色?」という言葉を、われわれも時には考えるべき言葉だろう。
 そう、時には変な色の風も吹くのが人の世の常なのである。

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