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2018/06/19 05:45  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

トルコの金融政策

おはようございます。

先々週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。

19世紀後半まで続いたトルコ建築のバロック時代は、例えば、イスタンブールのLilyモスクやボスポラス海峡の海岸沿いに佇む建造物などの豪華な建築を後世に残した。 しかしトルコの金融政策のバロック時代は、6月1日にトルコ中央銀行がシンプルな金融政策の枠組みを取り入れるまで続きそうである(この記事は5月下旬に書かれています)。 新しい金融政策の枠組みとは、過去1週間のレポ レートをそのまま政策金利とするものであり、トルコ通貨を殆ど溺死さえていたそれまでの金利に取って替わるものである。

トルコのバロック様式は、西側とオットマンスタイルを混ぜ合わせたものである。この国の分かりづらい金融政策が様々な矛盾を生み出している。中央銀行は、トルコ リラとインフレを安定化させることを望み、目標インフレ率5%をはるかに上回る10%台の金利に据え置いた。その一方で、Erdogan大統領は2017年第4四半期の成長率7.3%よりもはるかに高い経済成長を切望し、彼が政策金利のロビー活動をしたとする批判を否定する事に躍起になっている。トルコの優秀な官僚たちは、より高い政策金利が経済の安定化を助け、過度な支出を抑え、GDP対比5.6%となっている2017年の経常赤字を穴埋めする為の外国資金を呼び戻すことに寄与すると考えている。しかし、Erdogan大統領に依れば、高金利はインフレを抑制するのではなく、逆にその原因であると反論している。

Erdogan大統領に配慮して、トルコ中銀は、これまで金融政策の中心である1週間のレポ レートの上昇を抑制してきた。代わりに、中央銀行は、他の不明瞭な金融手段からの借り入れコストを引き上げた。最近の窓口規制では、中央銀行は、その日の最終時点での民間銀行の資金不足に対する貸し出しを行ってきた。そのおかげで、トルコの民間銀行は、自分達の資金調達の大半をトルコ中銀のこうした貸し出しに過度に依存した。 これによって、彼らの平均調達コストは極端に上昇した。

しかし、最近になってトルコの民間銀行はErdogan大統領(の金融政策)にも、また、債券市場の金利上昇(価格の下落)のいずれにも耐えられなくなってきた。アメリカ国債の金利上昇と、原油価格の上昇を受けて、外国の投資家はトルコ政府がコミットしているこうした不均衡に対して疑念を持ち始めた。市場を安定化させる全ての政策が、逆にErdogan大統領に対する不信につながってしまった。

トルコ リラが急落した週には、Erdogan大統領は市場に対して神経を払っているように見えた。 しかし、実際の処は、彼が中央銀行を非難や攻撃すればするほど、市場はErdogan大統領を攻撃した。トルコ リラは、トルコ中央銀行がシンプルな金融政策の導入を決定した5日後に一気に政策金利を3%も引き上げるまでの5月23日までの2週間に12%も下落した。

新しい短期金利は16.5%となり、それはトルコのインフレ率を6%も上回った水準となっている。海外の投資家は、中央銀行がどれくらいの期間にわたり引き締め金利を維持し、通貨が安定する前に、更にリラが弱くなり、原油価格が上昇した際には更に政策金利を引き上げるかどうかを、今後、市場に問うであろう。他のエマージング市場では、各国はインフレに対して断固戦ってきた。 ロシアは、2年以上に亘り、インフレ率より3%高い金利を維持している。 ブラジルは同様に4%も高い政策金利を維持している。2016年央には、IMFですらロシア中銀に対して金融政策の緩和を要求したほどである。

トルコの今後長期にわたるコミット メントの象徴(金融政策のシンプル化)は、金融政策の引き締めと同じくらい重要なことかもしれない。今回の改革は、中央銀行が如何なる障害にも妥協しないようになっている。インドでは、2014年にインフレと戦う為の分析を始めた時、今回のトルコと同様のメッセージを市場に送り、2015年のインフレ目標を採用している。

兎にも角にも、Erdogan大統領は金融システムが複雑であると知られていたトルコ中央銀行の独立性に執拗にまで介入してきた。他の中央銀行と違って、市場金利が頻繁に目標金利から乖離した。金利の下限であり上限でもあるオーバー ナイトの預金金利やオーバー ナイトの貸出金利が、しばしば「非対称性」といって逆転した(貸出金利が預金金利を下回る現象)。こうした事が、投機的な海外の資本流入を阻害する要因となってきた。新しい枠組みでは、こうした非対称性はもう起きない。 確かにトルコは多くの問題を抱えている。しかしこの資本の流入に関しては、もはや問題とならないであろう。

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尚、このレポートは情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

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