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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2018/01/17 05:32  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

ビッド コインを越える仮想通貨?!


おはようございます。

今週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。

それは、初めは冗談から始まった。2013年にビッド コインのパロディとして、インターネットのマスコットとして人気のあった日本の柴犬にちなんでdogecoin(どーじー コイン)が作られた。この通貨は、オンラインのインターネットでたまにしか使われることがなく、創設者の一人が停止宣言するほどであった。しかし、最近、この仮想通貨が急騰し、1月7日時点で、dogecoinのドル建て時価は2bnドル(約2200億円)になり、仮想通貨市場が如何に異常であるかを示している。また、このことは、同時にビッド コインに関心にある人すべてに対して、仮想通貨は単なるゲームの世界であることを知らしめることになった。

新しい仮想通貨が殆ど毎日のようにinitial coin offering(ICO)と言って、通貨設立の初期資本を募ることで誕生している。 仮想通貨市場を管理するCoin Market Capによれば、現在は1400あまりの仮想通が取引され、その中にはUFOコイン、プーチン コイン、Sexコイン、Insaneコイン(非常識コイン)と言った名前まであり、これらの流通価値は7百万ドル(日本円で約8億円)にもなる。 もうこうなると、これらの仮想通貨は単なる興味でしかなく、今年に入って1月10日までに、1bnドル(日本円で約1100億円)の資金がこうした通貨設立ために資本がつぎ込まれた。

ビッド コインに続いた最初の仮想通貨としてethereumが設立され(通称 ether)、市場価値は137bnドル(日本円で約16兆円)となっている。その後、ethereumが名声を得たのはsmart contractなるプラット フォーム(ソフト ウエアの中に閉じ込められたビジネス ルール)を作ったことである。例えば、多くのICO トークン(硬貨)は、こうしたコントラクト(契約)によって発行されている。その成功のカギはcryped-copy-catなるものを持っており、仮想通貨Cardanoの市場価値は20bnドルであり、同じく中国版仮想通貨NEOは8bnドルとなっている。

仮想通貨Rippleも、また急騰した。これは、韓国版の仮想通貨であり、今週、こうした仮想通貨が取引所で取引されることを禁止する計画が発表された。Rippleは、国をまたいで100以上の銀行の資金移動に関する 技術ソフトを売却しており、XRPと呼ばれるコインと基準にしている。 2017年に仮想通貨の時価総額は400倍以上に膨れ上がり、2018年1月4日には149bnドルまで膨らんだが、その後は78bnドルまで急落している。それでも、Rippleコインの創設者Chris Larsonは、世界で最も金持ちの一人である(あくまでも紙の上の話であるが)。

あまり知られていない仮想通貨も勢いがある。 Moneroなる仮想通貨の時価は6bnドル(日本円で約7000億円)、Zcashは2bnドル(同2200億円)は非上場で取引されている。仮想通貨Stellerは時価総額9.8bnドルあり、特に貧しい国で慈善によって使われた資金を安いコストで移動させるシステムを開発した。そこへBid Coin Cashの時価は46bnドル(約5兆円)があり、この通貨は2017年にビッド コインから分離した。

考えてみて欲しい、ある日、誰か忌々しいインサイダーによって仮想通貨が準備通貨に取って替わられることを。あるいは、ビッド コインの管理(分岐や分割が突然オファされる管理形態)や、一回の移動に平均30ドルかかる移動コストの限界を。また、他の仮想通貨も問題を抱えている。Ehereumの利用者の手数料は急騰し、システムによるテクニカル障害を何度も起こしている。 Rippleに関しては、XRP硬貨が実際に何処まで使われているか疑問が残る。

次に何が起きるかといえば、こうした仮想通貨の世界が更に混乱を引き起こす。Kodakは典型的な仮想通貨の混乱の犠牲者であり、こうした仮想通貨の列車(世界)に乗り込んでしまった。 彼らは、1月9日、写真家にかかる支払いを仮想通貨で行うと発表した。 更に大胆なものとしては、1.8億人のユーザー サービスを持つTelergamのICOがあり、Gramと言う名前の仮想通貨初期硬貨を1.2bnドル集め、個人のバーチャル ネット ワークのオンライン サービスの支払いを可能にする。 Facebookでさえ、独自の仮想硬貨を作ることを検討していると報道されている。世界最大のソーシャル ネット ワークがそうした動きを取れば、仮想通貨の代表格であるビッド コインが、そのリーダーの座から転落する日は目に見えている。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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