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2017/05/26 04:54  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

仮想通貨バブル?!


おはようございます。

今週号の英誌エコノミストに掲題と称して最近のBitcoinなどの仮想通貨が急上昇していることに関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。

いつバブルが発生するかを予想する事は非常に困難であり、特にそれらが隠れた場所で起こると一層困難である。バブルとは、市場の資産価値が急上昇する事をイメージすると分かりやすい。最近では、世界の仮想通貨の資産価値が今年に入って3倍になっており、その資産価値はUSD60bn(日本円で約6.6兆円)にまで膨らんでいる。

その中でも、bitcoinが仮想通貨の中でも最もよく知られているが、今月に入ってハッカーがコンピューター ファイルを見えなくし、それを回復させるための身代金を要求される事態が発生してから仮想通貨の需要が急上昇している。Bitcoinそのものはそれほど多く存在していない。 現在は1,630万枚のビット コインが存在し、毎日1,800枚のビット コインが新しく作られている。しかし買い需要が大きいために、ビット コインの価格は、1年前の1ビット コイン=450ドルから現在は1,830ドルまで急騰している。

しかし、問題は色々ある。今年の始め、Bitfinexのような最も大きな仮想通貨取引所の幾つかが、彼らの取引銀行と問題を起こし、仮想通貨の口座を持っている人に対して実際の通貨で支払う事が不可能になった。その結果、彼らは、お金を引き出す為に、ビット コインを新たに買って他の取引所で交換せざるを得なくなった。その意味では、このマーケットは、まだ十分に機能していない。 しかし、Cumberland MiningのMike Komaransky氏は「機関投資家を始め、個人投資家からヘッジ ファンドにいたるまで、(取引所を通さずに)相対取引で仮想通貨を取引する事に満足している」と話す。 仮想通貨が急騰している要因としては、中国人民元安があり、フランス選挙があり、そしてハッカー集団による身代金事件がある(この件では僅か80,000ドル相当のビット コインが身代金としてハッカー集団に支払われた。しかしハッカーによる実際の通貨の被害はもっと大きい)。

(その理由として)本来、ビット コインの最も大きな弱点であるCounter-Intuitively(システム上限られた容量の中で行われる相対取引)が、こうしたハッカー攻撃から守ることが出来るため、仮想通貨の需要が更に増大した。仮想通貨の開発者は、1秒間に7回の取引しかできない仮想通貨のシステムをどうやって拡大するが議論を続けてきた。その一方で、通常の通貨取引は1秒間に何千回も取引できる。また、ビット コインは、保有者の同意なしにコインが2つに分かれる前に、ビット コインの保有者は他の仮想通貨に分散させることもでき、最近ではalt.cinsなる両替サイトまで現れた。ウエブ サイト上の両替会社CoinMarketCapは、仮想通貨ArcticCoinを始め、曖昧なロシア通貨、そしてzCoinに至る800以上の通貨やコインを扱っている。最近、急上昇している仮想通貨Rippleは、年初の2bnから今月には13bnにまで増加している(6倍以上)。また、他の仮想通貨Ethereumは「Either」なるコインを発行し、その残高は、年初のUSD700mから今月には8.6bnまで急増加している(12倍以上)。

このEthereumの急騰が、他の仮想通貨の急騰を煽っている(明らかにバブル)。仮想通貨Etherの保有者は、金持ちになった気分になり、彼らは「initial coin Offering」と呼ばれるものまで買い始めている。 これは、立ち上げ時に売られた「Token」であり、ある種のSub-currency(補助通貨のようなもの)で、Ethereumの一番トップに位置している(発効前の元の通貨、株式会社でいえば資本金(株券)に相当するものか)。 仮想通貨リサーチ会社Smith+Crownによれば、今年に入って38もの仮想通貨が誕生し、その残高はUSD150mを上回っており、さらに仮想通貨に資金を呼び込もうとしている。そこで得られた儲けはビット コインに交換され、あるいはalt.cinsを通じて他の通貨に交換されていく。仮想通貨取引所のShapeShiftの創立者Vooheesによれば、現在の仮想通貨の日々の取扱高はUSD2bn程度である。

問題は現在のような上昇相場が変わっときである。仮想通貨Aficionadosなるものは、ビット コインに交換すべきかもしれない。あるいは、仮想通貨の発行者が、お金を持って姿をくらませば、こうした規制の対象外となっている仮想通貨は酷いことになる(暴落する)。また、規制当局はこうした事態(明確な犯罪行為)に対して徹底的に取り締まることになる。

今は、実際のお金で仮想通貨を買う事が簡単に出来るが、逆に大量の仮想通貨を一気に売ることは非常に困難である。これは、一度に仮想通貨市場から脱出する事は出来ない事を意味する。そして現在のように様々な仮想通貨の価格が急騰した事によって(市場が急拡大した事によって)、仮想通貨市場は、もはやビット コインだけではないことを意味する。まだ、仮想通貨市場の連鎖倒産といった事態は冗談の域を出ないが、不測の事態に備える仮想通貨準備金のような機能が、仮想通貨の資本の半分をカバーしている。従って、もし仮想通貨市場に暴落を起きても、全てが暴落してなくなってしまう事にはならないかもしれない。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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