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2015/11/27 05:18  | 昨日の出来事から |  コメント(1)

豪、2015年第3四半期の設備投資は9.2%減少


おはようございます。

昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した2015年第3四半期の豪製造業の設備投資は前期比9.2%減少して31.4bnとなり、2011年の第1四半期以来の低い水準でした。 また下げ幅そのものは1987年に統計を取り始めて以来最大となっています。 これによって2015年~2016年にかけての設備投資計画は、2014年~2015年に比べて20.9%減少し、鉱山関連産業を中心に設備投資が落ち込む見込みです(オーストラリアの会計年度は2015年7月から2016年6月まで)。 

その一方で、2015~2016年の非製造業も含めたビジネス全体における支出予定額は、AUD120.4bnと前期の見込み対比4%増加し、 これまで悪化の一途をたどってきた企業支出に底打ち感が出始めています。

JP Morgan のチーフ エコノミストStephen Walters氏は、今回の数字を受けて、来週に発表される豪の2015年第3四半期のGDP予想値をこれまでの+0.8%から+0.6%に引き下げ、「今回の数字では、鉱山関連産業を中心に大幅に落ち込んでいるが、それほど驚いていない。むしろ非製造業を中心に企業支出が増加してきていることは、将来の豪経済にとって明るい材料である」とコメントしています。

一方で、UBS economist George Tharenou氏は、来週に発表される第3四半期のGDPについて、「今回の設備投資の数字は悪かったが、我々としては、これまで通り+0.8%であると予想している」と述べ、その理由として「確かに、今回の数字はGDPの数字を大きく足を引っ張るが、その一方で、輸出が大幅に増加してこれを相殺するのではないか」とコメントしています。

尚、為替市場では、数字の発表前は0.72ドル台後半で取引されていましたが、数字の発表後は0.72ドル台前半まで急落し、市場の一部では、RBAによる早期の政策金利引き下げが取り沙汰されています。

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One comment on “豪、2015年第3四半期の設備投資は9.2%減少
  1. パードゥン より
    イギリスの代わりに、旧植民地の人の引受けを

     旧大英帝国下の植民地の国々から移民を受ければ
    内需拡大できるのでは? 
    植民地の人なら多くの人が英語が使えるわけですから

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