ブログ記者によるオンライン新聞 グッチーポスト

The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2018/06/18 00:00  | 今週の動き |  コメント(3)

今週の動き(6/18~24)

梅雨の季節、雨が降るのは仕方ないですが、4月の寒さに逆戻りしたのは驚きでした。ただゴルフにはちょうど良い涼しさでした。

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先週の動き
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6/10(日)
・シンガポール・北朝鮮首脳会談(シンガポール)
・イタリアのコンテ政権が民間船に救助されたアフリカ移民の上陸を拒否

6/11(月)
・米・シンガポール首脳会談(シンガポール)
・米財務省が17年の大規模サイバー攻撃に関わったとしてロシアの企業5社と個人3人に資産凍結などの経済制裁を科したと発表
・米商務省がZTE制裁解除の詳細を公表
・米上院がZTE制裁解除を阻止する修正を含めた国防授権法案の審議開始を可決
・ウクライナと仏独ロ外相会談(ベルリン)
・日経新聞主催国際交流会議「アジアの未来」(東京、〜12日)

6/12(火)
・米朝首脳会談(シンガポール)
・日米電話首脳会談
・米国在台協会(AIT)台北事務所の新庁舎の落成式
・中間選挙の予備選(メイン、ネバダ、ノースダコタ、サウスカロライナ、バージニア)
・FOMC(~13日)
・イラクの第1勢力「サーイルーン」の指導者サドルと第2勢力「ファタハ連合」の指導者アミリが政治同盟を発表
・日・マレーシア首脳会談(東京)
・マケドニアが「北マケドニア共和国」への国名変更でギリシャと合意

6/13(水)
・ポンペオ国務長官が訪韓(~14日)
・河野外相が訪韓(~14日)
・FOMC最終日(FF金利誘導目標を0.25ポイント引き上げ(1.75~2%))
・韓国統一地方選挙(与党「ともに民主党」が勝利)
・ジョージアのクビリカシビリ首相が辞意を表明

6/14(木)
・日米韓外相会談(ソウル)
・ポンペオ国務長官が訪中
・南北将官級軍事会談(板門店)
・プーチン大統領が金正恩・朝鮮労働党委員長をロシアに招待したと発表
・米司法省が2016年の大統領選でのヒラリー・クリントン元国務長官の私用メール問題をめぐる捜査でコミー前FBI長官に政治的偏向はなかったが「ルールに忠実でない」対応があったとする報告書を発表
・ニューヨーク州のアンダーウッド司法長官が16年の大統領選で違法行為があったとしてトランプ大統領と3人の子供、ドナルド・J・トランプ財団を起訴
・イエメン暫定政権軍が主要港湾都市ホデイダに向けて進撃、現地を支配するフーシ派の抵抗を受けて戦闘が激化
・欧州中央銀行(ECB)定例理事会(リガ)
・FIFAワールドカップ(ロシア、〜7/15)

6/15(金)
・トランプ政権が中国の知的財産権侵害を理由に中国製品1102品目(「中国製造2050」の重要産業に関わる品目中心、航空宇宙、情報通信、ロボット、産業機械、自動車等、500億ドル相当額)に25%の追加関税を課すと発表
・米国土安全保障省報道官が、米国に不法入国した親や成人の保護者から引き離された未成年者が5月末までの6週間で約2000人に上ったと発表
・アフガン政府とタリバンが初めて停戦
・コロンビアがTPP11への参加を正式に申請したと発表

6/16(土)
・中国国務院が米国製品659品目(大豆、牛肉、豚肉、マグロ、フカヒレ、オレンジ、リンゴ、ウイスキー、自動車等、500億ドル相当額)に25%の追加関税を課すと発表

●米朝首脳会談

歴史的な会談ですが、新たな未来に向けた一歩だったのか、茶番に過ぎなかったのか・・先週の解説をご覧ください。

「米朝首脳会談」(6/15)
 
ただ、これは会談直後にとりあえずまとめたもので、言い足りないところがありました。今週、より踏み込んだ話を書きます。

●米中の「貿易戦争」

トランプ政権は、以下の記事で述べたとおり、4月に中国の知的財産侵害を理由とする制裁関税の原案を公表していましたが、先週、ついにその決定措置を公表しました。

「米中の『貿易戦争』」(4/9) 
「中国への制裁発動宣言と第3回米中通商協議」(6/4) 

公聴会とパブリックコメントを経て、原案の1333品目から一部品目を除外し、まずは818品目(340億ドル)については7月6日に制裁発動の予定。さらに284品目(160億ドル)を暫定品目として発表し、これについては公聴会とパブリックコメントを経て最終決定の予定。除外した品目を埋め合わせて500億ドルの金額を維持した格好です。

以下の記事で述べたとおり、500億ドルという金額は中国からの輸入額5000億ドルの1割を占めるに過ぎませんが、品目には「中国製造2050」の重要産業に関わるものが多く含まれています。

「ボアオ・アジアフォーラムと米中の『貿易戦争』」(4/16)
 
これを受けて、中国は、すでに宣言していたとおり、報復関税(659品目、500億ドル相当額)で迎え撃ちました。こちらも米国にあわせて545品目(340億ドル)について7月6日に制裁発動の予定。残りの114品目(160億ドル)の発動時期は今後決めるとのこと。上記記事で述べたとおり、この品目には大豆、自動車、航空機というトランプ大統領の票田や雇用創出に直撃する業種が含まれています。

本メルマガでは、米中はまず一度はお互いに制裁を発動し、1ラウンド終わった後に交渉に入る・・と予想していました。まだ7月6日まで時間がありますが、このシナリオに沿った動きといえます。

米中の発表が意味するものと今後の注目ポイントを解説します(※メルマガに限定)。

●ZTE制裁解除

すでに解決・・と思われたZTE問題ですが、再び状況が不透明になっています。

「第3回米中通商協議とZTE制裁解除」(6/11) 

先週、米上院はZTE制裁解除を阻止する修正を含めた国防授権法案の審議開始を可決しました。この意味について解説します(※メルマガに限定)。

●米国在台協会・台北事務所の落成式

「米国在台湾協会(AIT:American Institute in Taiwan)」の台北事務所は事実上の在台湾米国大使館です(ちなみに日本でAITに相当する機関は「交流協会」)。この新庁舎の落成式が行われ、米国はマリー・ロイス国務次官補(教育・文化担当)を派遣しました。

トランプ政権はボルトン大統領補佐官あるいは閣僚の派遣を検討していたといわれており、もしそうなれば中国との間で大きな摩擦が生じるところでした。特に超親台派のボルトンが行くことになれば中国は激高したでしょう。国務次官補はかなりレベルが低いので、政権は大きくトーンダウンしたことになりますが、同じタイミングで米朝首脳会談が行われるので、中国との間で無用な問題を起こすことを避けたとみられます。

とりあえず大きな問題は避けられましたが、これから台湾をめぐるリスクはさらに高まることが予想されます。トランプ政権では親台派が力をもっており、これがトランプの衝動的な動きと接続するとこれまでにない大胆な動きに出る可能性があるからです。また、中国も、こうした米国の動きを見つつ、アフリカや中南米の国々を台湾と断交させる働きかけを加速させています。こうした台湾をめぐる状況について近いうち解説します。

●中間選挙の予備選

先週はメイン、ネバダ、ノースダコタ、サウスカロライナ、バージニアの5州で行われましたが、注目されたのはサウスカロライナ。ここでは現職のマーク・サンフォード下院議員(共和党)が敗北したことが話題を呼んでいます。

サンフォードはトランプを公然と批判していたことからその逆鱗に触れ、トランプの猛攻撃にさらされました。サンフォードの敗北は「トランプに刃向うと落選する」という印象的な一例を作ったことになります。

また、アラバマ州では大統領選の際に女性蔑視の発言を理由にトランプの支持を取りやめたマーサ・ロビー下院議員が決選投票に進まざるを得なくなり、バージニア州では、トランプ支持で反移民を掲げるコーリー・スチュワートが共和党の上院議員候補に選ばれました。

こうした予備選の動向が示唆するものについて解説します(※メルマガに限定)。

●イラクの連立交渉

第1勢力の指導者ムクタダ・サドルと第2勢力の指導者で親イランのハイディ・アミリが連立政権樹立に向けて政治同盟を組むという驚きの発表がありました。

これがどのくらい衝撃的だったかは、以下の記事をご覧になった方にはよく分かるでしょう。

「イラク議会選挙(2):ムクタダ・サドルの挑戦」(6/6)
 
背景にあるのは、親イラン派にしてみればサドルのデモを含めた支持者の動員力、サドルにしてみればシーア派民兵の武力を取り込みたい、という発想です。お互いに相手を野に放てば、政権をとっても国内が不安定化することを怖れたとみられます。

これで大連立が組まれると、割りを食うのはアバディ前首相とマリキ元首相で、サウジと米国の影響力も後退することになります。

もっとも、イラクでは「連携」を発表した後にすぐキャンセル・・というのもよくある話で、この「同盟」も本当に連立につながるのかはまだ分かりません。アバディが加わって挙国一致体制になる可能性も十分にあります。状況は依然として流動的です。

●日経「アジアの未来」

マハティール首相の姿を間近で見ました。そのときの感想などをお伝えします(※メルマガに限定)。

●ワールドカップ

初戦はロシア対サウジ・・ということもあり、ムハンマド・ビン・サルマン(MbS)皇太子がロシアを訪問。開幕式典に出席し、プーチン大統領とFIFA会長とともに観戦する姿を見せました。これだけ一方的なゲームになると、MbSのテンションも低く、プーチンらも気を遣ってる様子で、微妙な空気だったようですが・・(笑)。

MbSは5月から1か月ほどまったく姿を見せなくなり、死亡説も流れたのですが、6月に入ってから写真が公開され、先週は王族のイベントに姿を現しました。今回も元気に外遊。1か月見ないだけで死亡説が流れるのもどうかと思いますが、それだけ一挙一動が注目されている・・ということでしょう。

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今週の動き
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6/17(日)
・コロンビア大統領選挙(決選投票、ドゥケ対ペトロ)

6/19(火)
・中間選挙の予備選(アーカンソー決選、ワシントンDC)

6/22(金)
・韓ロ首脳会談(モスクワ)
・南北赤十字会談(金剛山)
・OPEC総会(ウィーン)

6/23(土)
・イエメン情勢をめぐる有志国の閣僚級会合(ジッダ)

6/24(日)
・トルコ大統領選挙・議会選挙

(今週のどこか)
・米朝高官級協議(ポンペオ国務長官と金英哲・朝鮮労働党副委員長が想定)

●トルコ大統領選挙・議会選挙

昨年4月の国民投票により大統領に権力を集中させる「実権大統領制」を導入する憲法改正が承認されましたが、次の週末に予定される選挙を経て名実ともに新体制に移行することになります。

「今週の動き(4/17~23)」(17/4/17) 

エルドアン大統領の再選は間違いないだろう・・と思われていたところ、最近のトルコリラの急落やエルドアンの強引な政治手法に対する反発から、他の候補者の支持が伸び、予想外の接戦になっています。

世論調査では、エルドアンに投票すると答えた人は45%程度で、1位とはいえ過半数に達していないので決選投票に持ち込まれる可能性が高いです。そうなると、決選投票では野党候補者(5人)は一致して候補者を一本化する方針なので、世論調査では五分五分の勝負になっています。

では決選投票に進む野党候補者が誰かといえば、CHPのインジェと優良党のアクシェネルのいずれかとみられます。

アクシェネルは軍の政治力が極めて強かった90年代に軍を批判し、今は独裁的権力をもつエルドアンを批判する硬骨の政治家で、「女オオカミ」「鉄の女」といわれます。エリートでありながらイスラム保守主義を信奉し、その人気は抜群です。エルドアンとの一騎打ちになれば両者の支持率は拮抗しており、エルドアン再選を阻む最大の脅威になるといわれました。

ただ、新党を立ち上げたばかりのため、組織的なメディア戦略において後れをとり、最近の世論調査では12%と大きく後退。決選投票に進むのは支持率を30%まで伸ばしているインジェとみられています。インジェ対エルドアンも接戦になるとみられますが、他の候補の支持層がすべてインジェを支持するか不透明な面があり、エルドアンがギリギリ優勢というのが大方の予想です。

一方、議会選ではAKP・MHPの与党連合が大きく後退し、過半数割れする可能性があります。そうなるとCHPをはじめとする野党の勢いが強まり、大統領選でもエルドアンの優位がゆらぐ可能性があります。

決選投票になれば、投票が7月8日、最終結果発表が7月12日になります。まずは今回の選挙の結果を見守りましょう。その上であらためて解説します。

●コロンビア大統領選挙(決選投票)

右派のイヴァン・ドゥケと左派のグスタボ・ペトロの一騎打ちですが、世論調査ではドゥケが大きくリードしており、おそらく勝利するとみられます。

ドゥケは左翼ゲリラのFARC(コロンビア革命軍)との和平合意の見直しと自由主義型の改革を公約にしており、ビジネス界からの評価は高い人物です。

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あとがき
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ワールドカップ、クリスチアーノ・ロナウドはすごかったですね。メッシは相変わらず代表では実力を発揮し切れないのか、もう一つのようでしたが、それよりも人口35万人の小国、リーマンショックで一度は破綻の危機に瀕したアイスランドがこれだけ健闘したことを讃えるべきでしょう。

アイスランドは私にとっては大好きなビョークシガー・ロスの出身国。もちろんオーロラや温泉も有名ですし、一度は行ってみたいものです。日本も今週いよいよ初戦、相手はコロンビアですね。

それにしても米朝首脳会談は終わりましたが、ありがたいことに、世界情勢の動きは止まりませんね・・もうちょっと落ち着いても良いかと思いますが・・(苦笑)。

私も出張が立て込んでおり、また記事や論文の執筆も多く、バタバタしていますが、これらを通じて得られる知見によって本HP・メルマガの内容はさらにパワーアップすると思います。ご期待ください。

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3 comments on “今週の動き(6/18~24)
  1. KB より:
    プレジデント

    貿易戦争の考察を拝読していますと、トランプにとってのPresidentは「大統領」ではなく、「社長」。まるで、アメリカ合衆国代表取締役ドナルド・トランプですね。

    ただ、習近平の用意周到さと静けさは、トランプとは対照的な印象ですが、両者の動きは、貿易戦争の今後の展開とともにとても興味深く感じました。

    そして、中間選挙予備選シリーズも毎週楽しみにしています!トランプがTwitterで「ろくでなしの役立たず!」と言っていた続きにこんな話があったとは・・。(笑)

  2. ペルドン より:
    米中抗争

    所詮プロレス・・
    と冷ややかにぐっちーと共に眺めていたら・・
    ブルム・・
    「アナリストの間では、米中間の溝は埋まらず、両国の対立は消耗戦の様相を強めるとの見方が広がっている」
    の観測も出てきた。
    更に習主席は多弾頭核ミサイル実験打ち上げ・・危険な道に踏み入り始めている。軍事競争するなら・・かっての米とソ連との軍事競争の教訓を・主席は放念している。それを承知で挑戦するなら・・北の次は中国になる。

    トランプはプーチンとハグしなければならない。ロシア式に男同士の口づけをするかも知れない・・・
    ( ^ω^)

  3. 下北のねこ より:
    ワールドカップ

    プーチンさんのまじめに困ったなって顔初めて見ました。ある意味これも番狂わせかな。しかし、マジで世界中のtotoで胴元FIFAがボロ儲けするために仕組んでんじゃないの(●`ε´●)。
    例えば、minitotoBなんか誰が見たって、フランス・ドイツ・ブラジル・イングランド・ロシアって飛びつくに決まってるし、集めるだけ集めて外すやり口巧すぎるしい~。
    私の買った組み合わせは壊滅です。直前まで調子の出ないドイツの負けはいいとしてもブラジルは想定外だし、C.ロナウドのハットトリックはいいとしても、まさかスペインが同じように高得点で同点なんて、あたしゃポルトガル・スペインどちらにも勝ちを賭けて、引き分けを外しました。(´;ω;`)
    日本戦の前に最初の勝負が終わってしまうなんて悔しいです。(いつも盛岡があるときに盛岡に賭けてものにならず終わってるのですが、同じように日本は必ず勝ちに張ってしまう悲しいバイアスかかってます。)

    ビョークといえば、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」二度見るのには厳しいですけど、好きな映画です。まあ、あの監督さんがそういう映画ばかりですけど。これは救いがないようでも、ラストを見直したくなる映画です。

    歌姫としても凄いのは、わかりますが、ビョークとかエンヤとかあっちの音楽は芸術的であたしの知性ではついていけませぬ。
    私がわかる美しさは森田童子さんくらいかな。盛岡にも来たことがあって、キャノンボールという近所の長屋の一坪のレコード屋さんにチケット売ってた記憶があります。私の森田童子さんのベスト3は「さよなら、ぼくのともだち」(https://www.youtube.com/watch?v=UE4XMRspiqY)「ぼくと観光バスに乗ってみませんか」(https://www.youtube.com/watch?v=edHSz783J-0)「赤いダウンパーカーぼくのともだち」(https://www.youtube.com/watch?v=XNkBKvt5JvM)です。ただ、この方はどの曲も驚くほど洗練されていてできが良いので、ベスト盤を聴くのがお薦めです。昔は全部カセットで録音したのを聴いてたんですよね。

    ちょっと気持ちの上でアンダー系の曲ばかりなので、前向きな曲を一つ、「路上から武道館へ」(宮崎奈穂子)(https://www.youtube.com/watch?v=qbKllkOXN4g)慶応大出のミュージシャンではこの方が一番好きです。

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