ブログ記者によるオンライン新聞 グッチーポスト

The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2018/02/19 00:00  | 今週の動き |  コメント(5)

今週の動き(2/19〜25)

平昌の寒さは厳しいようですが、東京は天気の良さもあって、だんだんと暖かくなってきたような気がしますね。

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先週の動き
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2/10(土)
・イスラエルがシリアから飛来したイランの無人機を撃墜、シリアを空爆
・イスラエル戦闘機がシリアでアサド政権軍に撃墜される
・トルコ軍ヘリがシリアでクルド民兵に撃墜される

2/11(日)
・ティラーソン国務長官がヨルダン、トルコ、レバノン、エジプト、クウェートを訪問(~16日)
・マティス国防長官がイタリア、ドイツ、ベルギーを訪問(~17日)

2/12(月)
・トランプ大統領が議会に予算教書を提出
・トランプ政権が「インフラ基本方針」を発表
・ペンス副大統領がワシントン・ポストのインタビューで北朝鮮との対話可能性を示唆
・イラク復興のための国際会議(クウェート、〜14日)

2/13(火)
・南アフリカの与党ANCがズマ大統領の罷免を決定

2/14(水)
・ペンス副大統領がアクシオスのインタビューで米国は北朝鮮と対話を行う用意があるが北朝鮮の核放棄が条件になると発言
・フロリダの高校で銃乱射事件
・イスラエル警察が検察にネタニヤフ首相の起訴を求める勧告
・南アフリカのズマ大統領が辞任を発表
・NATO国防相理事会(ブリュッセル、〜15日)

2/15(木)
・米上院が移民制度改革法案を否決
・ソーントン国務次官補代行が上院公聴会で「ブラッディー・ノーズ作戦は存在しない」と発言

2/16(金)
・米大陪審が大統領選への介入疑惑でロシア人13人・3団体を起訴
・米商務省が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限案を発表
・ミュンヘン安全保障会議(ミュンヘン、~18日)
・米国、タイ主導の多国間合同軍事演習「コブラゴールド」開始(タイ)

●予算教書・インフラ計画

2月12日に議会に提出された19年度予算教書では、壁の建設を含む移民対策、国防費の拡大、インフラ整備のため向こう10年間で2000億ドルの政府支出(これを呼び水に官民あわせて1兆5000億ドルの投資を見込む)などを盛り込む4兆4000億ドル規模の構想が明らかになり、さらに、トランプ政権は「インフラ基本方針」を発表しました。

しかし、これに先立ち2月9日に成立した予算関連法では、移民対策とインフラ整備が盛り込まれておらず、政権の構想とかみ合っていません。

「今週の動き(2/12~18)」(2/12)

つまり財源が確保できていないわけです(ただ、トランプはガソリン税の引き上げを提案しており、この動向は今後注視が必要)。予算関連法では歳出上限が3000億ドルまで引き上げられていますが、議員らは独自にその枠を満たす案をこれから出してくるはずです。

壁の建設やインフラ整備については、両党とも厳しい目を向けており、おそらく議会では無視されるでしょう。以前から述べているとおり、中間選挙まで何も進まないと思われます。

ただ、いずれにしても、議会と政権が予算拡大に向かって突っ走っていることは明らかです。共和党は減税(税収減)、民主党は歳出増、政権は両党の要望を無節操に受け入れる・・犠牲にされるのは財政規律という構図です。

先週お伝えしたように、財政悪化が長期金利の上昇につながり、株価の下落につながったという見方があります。したがって、ここは懸念材料と見ざるを得ません。これが最大の「トランプ・リスク」といえるかもしれません。

●北朝鮮

ペンス副大統領が「北朝鮮が望めば我々は対話する用意がある」という発言をしたことが政権の方針転換を示すものか、話題を呼んでいます。

平昌五輪での韓国との対談や最近の北朝鮮の動きをふまえ、方針をフレキシブルにしている可能性はありますが、重要なポイントは、以下の記事で述べたとおり、制裁を継続・強化することです。

「平昌五輪と北朝鮮」(2/8)

制裁さえ緩めなければ、文在寅が南北対話を進め、米国が北朝鮮とコンタクトしようとも、憂慮すべき状況にはなりません。ペンスは「最大限の圧力は維持・強化する」と明言しています。この部分に注目すべきでしょう。

一方、この点に関し、最近、「最大限の圧力」に「ブラッディー・ノーズ作戦」(ミサイル発射施設等に標的を限定した先制攻撃を行う計画で、「鼻血」程度のケガを負わせるという意味)が含まれるのではないか・・ということが取り沙汰されてきました。駐韓大使の指名が取り消されたヴィクター・チャは、この作戦に明確に反対していました。

それが、先週、スーザン・ソーントン国務次官補代行が、国務次官補就任承認のための上院公聴会で「ブラッディー・ノーズ作戦は存在しない」と明言しました。報道によればホワイトハウス高官も同様の発言をしているとのこと。

ただ、本当のところマクマスター大統領補佐官やマティス国防長官が何を考えていたかは分からず、このあたりの動きをどう読むかは難しいですが、まずは現時点で強調されている「制裁と対話」を明確にする一環と思われます。状況が流動的ということもあり、もう少し見極めが必要です。

それにしても今回のペンス副大統領の発言は、オンラインメディア「アクシオス」による公開インタビューで飛び出したもの。アクシオスは、有力政治誌「ポリティコ」の創業者が立ち上げた新興メディアですが、昨年の発足以来、スクープと大物インタビューを連発しています。

最近の重要記事の多くはアクシオスの発信。これもまた米国の新たな潮流として注目すべき現象です。

●ロシアゲート

大陪審がロシア人13人・1団体を起訴したとモラー特別検察官が発表。

これはまったく事前にリークがなく、驚きのニュースでした。モラーの捜査が水面下で迅速かつ徹底的に進められていることをうかがわせるものです。

ロシアゲートは、こういった事態が起こるたびにトランプが「共謀はない!」と叫ぶこともあり、トランプとロシアの「共謀」ばかりが取り上げられますが、トランプの関与を超えて、「ロシアが実際に何をやっていたのか」が問題になっています。具体的には、今回の起訴の罪状にも出ているとおり、SNSでのフェイクニュース、ハッキング、州選挙動向の研究などです。

米国は、ロシアが同じことを中間選挙で仕掛けてくると警戒しています。その意味では米国の安全保障上の問題とみなされています。また、何度も述べているとおり、「共謀」を立証することは難しいでしょうが、ロシアの行為の中には犯罪行為が含まれますから、それをどこまでトランプが知っていたのかは重要なポイントになるでしょう。

●フロリダ銃乱射事件

また起こってしまった学校での乱射事件。

銃規制の難しさについては、ラスベガス銃乱射事件について解説したとき述べました。

「今週の動き(10/9~15)」(17/10/9)

実は、統計的に見れば、こういった乱射事件による死亡者数はそれほど多くありません。BBCによれば、2016年に米国で銃によって死亡した合計1万1004人のうち、約5500人は自殺で、乱射事件の犠牲者は71人でした。

それでも、今回の学校やラスベガスのように、やろうと思えば誰でも簡単に銃をもって大多数の人々を殺傷できてしまう環境は大きな問題であり、誰もがこれを何とかしなければならないと思っています。トランプと共和党は、そのために必要なのは、一般的な銃規制ではなく、バックグラウンドチェックや精神障害者の銃取得の制限であると主張しているわけです。

●ズマ大統領の辞任

ジェイコブ・ズマ大統領は、昨年12月の与党ANCの党首選でシリル・ラマポーザに敗れたものの、19年まで任期が残っていました。

「今週の動き(12/25~31)」(17/12/25)

しかし、ズマには汚職、縁故主義、レイプの疑惑、無能といった数限りない批判が浴びせられており、2月13日、ついにANCが罷免を決定。後継者に選んでいた元妻のドラミニ・ズマすらこれを支持しました。

ズマがこれを受け入れるかどうかは、その無責任な人間性と退任後の汚職追及のおそれから、まったく分からない・・と言われていましたが、ついに辞任を決意。これで暗黒の時代が終わるのか。新大統領となるラマポーザに大きな期待が寄せられています。

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今週の動き
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2/19(月)
・ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)

2/20(火)
・ドイツのSPDが連立政権入りの是非を問う党員投票を開始(〜3/2)

2/23(金)
・米豪首脳会談(ワシントンDC)
・非公式のEU首脳会議(ブリュッセル)

●ドイツの党員投票

2月7日にCDU・CSUとSPDが連立合意を発表しましたが、連立政権樹立のためにはSPDの党員投票による承認が必要になります。

「今週の動き(2/12~18)」(2/12)

ここで承認がとれなければ再選挙・・という可能性は十分にあります。

党員投票の結果が判明するのは3月4日。イタリア総選挙と同じ日ですね。

今週は大きなイベントがなさそうなので、突発的な事態がない限り、東南アジアを取り上げたいと思っています。

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あとがき
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羽生結弦は圧巻でしたね。

あれだけのケガをして、久しぶりの大舞台、ぶっつけ本番のような状態で、あの無双ぶり。思わず私もテレビの前で拍手しました。

また、終わった後、何度も繰り返していたのは、復活のために支援してくれた人たちへの感謝。言葉に尽くせぬほどの苦しみや悩みがあったでしょうが、それを克服するために、考え抜いたことが垣間見えた気がします。こういうのを見ると、本当に勇気づけられますね。

宇野昌磨の銀メダルも見事でした。こういう時代も来るものなのですね。

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5 comments on “今週の動き(2/19〜25)
  1. ぺルドン より:
    平昌後に

    ブラッディー・ノーズ作戦無くても・・
    「ブラッディ・メアリー」
    はある。
    核兵器をトランプに上納しなければ・・
    話し合いは無し・・
    大カポネ・トランプの右目は北・・左目は南・・
    関白殿は薮睨みだろうか・・・
    ( ^ω^)・・・(笑

  2. KB より:
    ご多忙大臣

    今週だけでもスケジュールを見ると、ティラーソンやマティスなど各国の要人はものすごく精力的に働きますが、河野外務大臣も就任以来ものすごく忙しくされていますよね。

    最近では、野党から「国会に出席するように」との要請で、スケジュール調整も大変だという記事を目にしました。

    こういったスケジュール調整や、プライオリティの決定、などは外務省主導で決まっていくものなのでしょうか?それとも、外務大臣の意向や政権の考えが反映されるのか、両方なのか・・・?

    河野外務大臣のTwitterなどを見ると、とても精力的なことが分かり面白いのですが、機会があればぜひ、そのあたりの事情や何か面白いここだけの話(笑)があれば、是非JDさんのお話をお聞かせください!

  3. 下北のねこ より:
    epoch-makingな一日

    羽生結弦くん、本当に見事でしたね。私の周りも含めてみんな感涙・゚゚・(≧д≦)・゚゚・状態でした。その前のショートプログラムのときから、よかったねえと喜び、その直後の着替えシーン(覗き見的なちら見でしたが)でキター Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!と5回転半トリプルトゥループ大興奮状態に陥り、もうこれは金メダルっきゃないと、だけど当日のフリーは怖くて見たり見なかったりで、本当に無茶苦茶嬉しかったです。その後のインタビューも立派で、背負ってきたものが違うんだなあと心から感心してみてました。

    その日、将棋の藤井くんもあの羽生善治さんを撃破し、初タイトルを獲得したとのこと。彼に関しては、単に天才というだけじゃなく、今年もきちんと成長してることに努力を続けてる姿が感じられて嬉しかったです。
    去年は、なかなか順位戦A級の人たちに公式戦で勝てず、逆にA級の棋士って、本当に強いんだなあって感心してたんですが、羽生さんも破るレベルになったのは見事としか言いようがありません。(と言っても、去年NHKの将棋トーナメントの藤井くんVS稲葉陽八段を見ただけですが、本当に打つのが怖い、どちらも信じられない手ばっかり打っていたのには、時代がAI級に変わったとしか思えなくて、藤井くんも簡単にはいかないだろうなあって、錯覚してました。)
    若い才能が時代を作っていくのを目の当たりにするのは本当に興奮する感動ですね。

    宇野昌磨くんも凄かったけど・・・彼、眞子内親王の彼氏に顔つきやなんとなく性格もそっくりですね。ちょっと、言うことが素直じゃないところが、少年ぽいというか、ちょっと微笑ましかったです。
    昌磨くんだったら笑えるけど、圭くんの方は、ともかく、若い子が自分で周りに壁を作っちゃうのは色んな意味で拙いよなあって思ってみてました。彼にはそれこそ、周りの大人がいろいろ教えてあげるべきだったと思います。それだけの人にも囲まれてる幸せな人だと思うんだけどなあ?

  4. ぺルドン より:
    下北のねこさん

    世間ずれの知恵では・・
    「嫁を貰うには・・格下の家から」
    これ以上格下がない家が・・
    これ以上格上がない家から・・
    嫁を貰う・・
    しかも手ぶらで・・
    夢を見た・・で目が覚める・・一炊の夢・・故事・・・
    ( ^ω^)・・・(笑

  5. 下北のねこ より:
    本質って、冷たいもの

    ベルドンさんの短いコメントが最も極論として、今回の問題の本質を突いてるのでしょう。
    大貧民としては、応援したい組み合わせなんだけどなあ。
    幸せになってほしかったなあ。
    「人の不幸は蜜の味」なんてこの歳になると思えないもんなあ。(金のある不幸は体験してみたいけど、こないだのベティ・デイヴィスじゃなく、パティ・スミスじゃなく・・・・えええとジミー・ペイジでもないか・・ともかく、成功した人の不幸って、見れば見るほど深いレベルで寒気しかしません。こないだは知れば知るほどぞっとしました。)
    JDさんのような弁護士とかだったら「人の不幸は、俺の飯」なんてなるかもしれませんが。

    今は「菊のタブー」ってあるんでしょうか?
    それこそ、ルポタージュ、圭くんをモデルにしたピカレスク・ロマンいろいろ書けそう。たくさん、宇野家には書き屋さんが張り付いてるんでしょうね。

    しかし、カップルのお二人さん、圭くんのお母さん、皇室の皆さん、宮内庁、みんなそれぞれの立場で近視眼なんだなあって感じました。
    階級社会そのものというか、階級が違えば全く、見える世界も人の種類も判断も違うんだってことがよくわかりました。

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