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The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2017/05/17 00:00  | 米国 |  コメント(5)

​コミーFBI長官の解任②

トランプ氏「機密情報をロシア外相らに提供」=複数報道(5月15日付BBC)

今度は、トランプがロシアに機密情報を漏洩したとの報道・・・これも誰がリークしたのか、という話になるでしょう。

本日の記事は「コミーFBI長官の解任①」の続きですが、こうしたリークの動きとも密接に絡む話になります。

FBI長官解任の当否を問うことは、次々に新事実が出てくることもあり、現時点では困難です。

しかし、現時点においても、トランプが負うことになるリスクが何かは指摘することができます。

それは、大統領の孤立化です。

まず、FBIとの関係ですが、後任が問題になります。

トランプとしては、クレムリンゲートの捜査拡大を防ぐべく腹心を送り込みたいところですが、この状況において、政治的な人物(クリス・クリスティルドルフ・ジュリアーニの名前が上がりました)を指名できようはずもありません。

仮に指名しても、上院の承認をとることは不可能でしょう。

今回の解任は「Tuesday Night Massacre(火曜の夜の虐殺)」とも言われています。

これは、ウォーターゲート事件において、ニクソン大統領が特別検察官、司法長官、司法副長官を解任した「Saturday Night Massacre(土曜の夜の虐殺)」になぞらえた呼称です。

ニクソンの解任劇は、議会から猛烈な批判を浴び、結局命取りになりました。不吉な連想をさせるネーミングです。

今回の解任は、インパクトの点で、ニクソンの解任には到底及びませんが、それでも、議会では、民主党はもちろん、共和党からも批判の声が上がっています。

そういうわけで、政治的に中立な人物を指名しないとおさまりがつかないでしょう。

そうなれば、クレムリンゲートの捜査を止めることはおそらく期待できません。

なぜなら、ジェームズ・コミーFBI長官は、民主党、トランプ、ロッド・ローゼンスタイン司法副長官から寄ってたかって批判されたものの、その公正さは高く評価されており、特にFBI職員からの支持は絶大といわれます。

そのような人物がクレムリンゲートの捜査拡大を明言していたのですから、まともな人物が後任となれば、やはり捜査は続行される公算が高いからです。

冒頭で述べた機密漏洩についてのリークも、おそらくクレムリンゲート問題の隠ぺいを危惧する反トランプ派のインサイダーでしょう。

ここまでは、FBIと議会(共和党)との関係での孤立化の話ですが、もう一つ危惧されるのは、身内すなわち政府関係者との関係の孤立化です。

今回の解任に至った経緯については、様々な事実が錯綜して不透明ですが、一つの合理的な推測は、FBI長官を解任したかったのはトランプだが、それを表立って言うと反発を買うので、ローゼンスタイン副長官からの進言という形をとった、というものです。

しかし、ローゼンスタイン副長官は、トランプの書簡や解任後の言動をみて、自分はトランプに利用された、これまで築いてきた自らの評判を傷つけられたと感じているといわれます。

さらに、マイク・ペンス副大統領は、解任を決定づけたのはローゼンスタイン副長官だと述べています。これは、誠実、品行方正を体現するペンスのような人物にとって大きな傷になります。

こうなると、ローゼンスタイン、ペンスといったかけがえのない身内からの信頼を失うことにもなりかねません。

そうなれば、大統領は、ホワイトハウスにおいても孤立することになります。

また、このことは、「トランプ政権の100日(補足)」で指摘した人事の停滞にも影響します。

コメント欄でみっきーさんが人事の停滞についてトランプはどう考えているのか・・・と質問されていますが、まず、人事の停滞の最大の理由は、そもそもなり手がいないことです。

たとえば、「トランプ政権人事:アジア外交チーム」で述べたとおり、多くの共和党系の有識者が選挙戦の段階でトランプ不支持を宣言しています。

共和党には人材のプールがありますが、それを活用することは最初から封じられているのです。

そして、今回のような解任劇やローゼンスタイン、ペンスのような身内を傷つける振る舞いは、ますます有為な人材を遠ざけることになります。

さらに問題を悪化させているのは、ぺルドンさんも示唆しているとおり、トランプ政権の方も、人事の停滞を意に介していないかのような印象があることです。

選択肢が限られているにもかかわらず、さらに選り好みをしており、ジェームズ・マティス国防長官やHRマクマスター大統領補佐官が推薦する有為な人材の起用をスティーブ・バノンが排除していることが伝えられます。

もっとも、バノンの影が薄くなるにつれ、この部分は改善されるのかもしれません。それでも、根本の問題は解決しませんが。

そういうわけで、人事の停滞は改善されず、それが税制改革など政策の実行を滞らせるに至ることが危惧されます。

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5 comments on “​コミーFBI長官の解任②
  1. ペルドン より:
    それに娘婿殿・・

    駆け上がるのが・・
    早すぎた・・
    一連の動きに・・
    彼が無関係である筈がない・・
    要は・・
    トランプ大統領を支えているのは・・
    マティス国防長官・・ペンタゴン・・軍部・・
    鉄壁の構え・・( ^ω^)・・・(笑)

  2. 牧神の午後 より:
    McMaster将軍の記者会見

    たった今までライブで観ていました。見事なものです。

    普段のスパイサー報道官の会見を見慣れてしまっているので、まともな記者会見がどういうものか忘れてしまっていました。

    とりあえず、ダメージコントロールはできたようです。

  3. 下北のねこ より:
    ぐわぁんばれ!斗乱舞!

    あまりにも袋叩きが目に余るんであたしゃ応援に廻ります。
    機密漏洩って、言うけど。最高司令官たる大統領には情報の運用権限はないんかい?
    高度機密であればあるほど、大統領にその情報の運用判断が委ねられるもんじゃないの?
    それに、それがテロ情報であれば、該当する他の国と共有しようとするのは、むしろ、当然なんじゃないんかい?ヾ(。`Д´。)ノ
    やられてからじゃ、遅いんですよ。)`ε´( 
    今回の騒ぎの質がわかんない。これが日本とか同盟国相手なら、問題にならないでしょうに。
    むしろ、これがイスラエルからの情報だと暴露してる人たちの方が、余程計算感じます。
    現職の大統領に反対するのは、民主党なら当然でしょうが、でめえで選んだ共和党や連邦政府にその資格はないでしょ。

    国民のためにできることは、きちんとするのが議会議員と政府職員の義務だと思うのですが、アメリカの国会議員や連邦政府職員に公僕、公務員としての意識はないんでしょうか?
    私にとってはトランプさん以上に、ちょっと、呆れるレベルです。

  4. 牧神の午後 より:
    special prosecutor

    とうとう終わりの始まりですかね。

    トランプ大統領がモラー氏を解任すれば、ウオーターゲートの再現が完成する事になります。

    ところで、「クレムリンゲート」という言葉は、JDさんの造語でしょうか? グーグルしてみた限りでは、他の人は使ったないようです。

    しかも、初出は三月七日。コミー長官の解任の前。JDさんは、この時点でこの展開が読めていた?

    チョット、凄過ぎる!何処かの国のスパイじゃないか、とも思ってしまいます。

    弾劾は、政治プロセスであって司法プロセスではないですよね。つまり、多数の議員が辞めさせようと決心すれば、証拠とか罪状とか関係なく、解任できますよね。

  5. JFKD より:
    ねこさんと同じく頑張れトランプ 笑

    マスコミは相変わらず偏向報道だ。いい加減にしてほしい。トランプよりマスコミが問題だ。相当誰かに尻を叩かれているのでは。機密漏洩はマスコミなのでは。漏れる方がおかしく、違法なのでは。外交は機密が当り前。こういう場合も情報ソースを明かさない正当性はあるの?

    議会も大統領に機密をどうのこうのという権限あるの?。漏らした奴を追及すべきでは。そもそも国際金融資本に買収されているのはロシア憎しの議員達では。? つまり中国からも買収されているのでは。トランプがロシアに買収されているなら、自分たちはもっとひどいのでは。

    だいたいウクライナ問題はオバマ政権が仕掛けたもの。ひどい政権だった。国際金融資本のプーチンに対する恨みだろう。これが間違い。ロシアと組む大統領の外交新機軸の邪魔をしている。ロシアをG8に戻せとは言わないが。

    いずれにしろ(中国をめぐる)対ロシア関係の考え方の対立が基本なのでは。

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