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The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2017/03/15 00:00  | 韓国・北朝鮮 |  コメント(10)

北朝鮮とトランプ

北朝鮮の動きが不穏です。

⚫︎2/13 ミサイル発射日米首脳会談の直後)
⚫︎2/15 金正男氏の殺害(マレーシアとの関係悪化)
⚫︎3/06 ミサイル発射

これに並行して、北朝鮮に関連する他国の動きも激しさを見せています。

⚫︎2/02 マティス国防長官の日韓訪問
⚫︎3/10 韓国の朴槿恵大統領が失職
⚫︎3/15 ティラーソン国務長官の日中韓訪問

北朝鮮国内の事情、韓国政治の混乱、米国のトランプ外交。三つの関係国の特殊な事情が重なりあっているのが現在の状況のユニークなところです。

ここまで危険な材料がそろうタイミングはめずらしく、それだけに関係者の間では異様な緊張感が高まっています。

しかも、この三つのうち最も警戒すべき事情が米国である点も極めて異例です。

米国の不安要因となっているのは言うまでもなくトランプ大統領です。

ティラーソン国務長官マティス国防長官マクマスター大統領補佐官という優れた外交・安保チーム、日米首脳会談施政方針演説をみると、トランプ外交に安定感が出てきた感もありますが、依然として懸念されるのはトランプの気質、統治スタイル、外交知識の欠如

最も懸念されるのは、自らに不都合な話に焦点が当たると、それを逸らすために別のテーマに注目を集めようとする手法です。

これは、統治者の常套手段でもあり、政略的にはある程度仕方ないところもありますが、それにしても、トランプの場合、その気質と目的のために手段を選ばない哲学からでしょう、あまりにも極端です。

その極端さは、クレムリンゲートの拡大を受けてからのオバマ前大統領による盗聴の主張、ツイッターでの発信の激しさに表れています。

また、とにかく外交に関する基本的な知識が欠如しています。

もちろん、一国の指導者に就任する人物が外交に通じていなかった例などいくらでもあります。むしろ、議員や知事である頃から外交を意識している政治家の方がめずらしいかもしれません(例外はヒラリー・クリントンのように国務長官など外交ポストを経験している政治家)。

しかし、通常は、いったん一国の指導者になれば、情報機関や外交機関からブリーフを受けることで、十分な知識を身につけます。指導者に求められるのはむしろまともな感覚や人脈であって、知識は、優れたスタッフがいればいくらでも後で間に合うのです。

ところが、トランプの場合、そもそも十分なブリーフを受けることができていません

まず、本人が長い話を聞くことができない(情報はテレビから得れば十分と言っている)。

次に、情報機関と信頼関係を築いていない。本人は、自分に都合の良い情報しか聞きたくないと思っているし、情報機関側も、本当にセンシティブな情報を子の大統領に与えることは危険と感じている。

そういうわけで、トランプの知識はアップデートされません。スティーブ・バノンジャレッド・クシュナーからの情報頼みになっていると推測されます。

ドラマ『ハウス・オブ・カーズ』では現職大統領である主人公が次期大統領選で勝つために(「イスラム国」をモデルにした勢力相手に)戦争を開始する・・・というところで最新のエピソードが終わりました。

こんなドラマのような展開がまさか現代の米国に起こるはずが・・・と思いますが、トランプであれば、もしかしたら・・・と感じさせます。

ここまでいかずとも、もう一つ指摘すべき不安点は、トランプのような大統領では、外国の指導者からの信頼を勝ち得ることが難しい、ということです。

米国の大統領は、いろいろな人がいましたが、総じて、外国の指導者からは高い信頼と尊敬を勝ち得ていました。

少なくとも、首脳間の外交で、虚偽の情報を流して混乱させたり、リークしたり、合意した事項をあとでひっくり返すようなことはしない、わがままであっても、超大国の指導者として信頼に値する・・・そういう気持ちは共有されていたはずです。

ところが、今のトランプに対してそのような信頼感を抱いている首脳は、同盟国においてすら、皆無でしょう。非同盟国であれば、なおさら恐ろしい・・・と思うです。

そうなると、北朝鮮はこれまで以上に警戒心を高めるでしょうし、また、この問題に共同して対処すべき韓国、中国との連携も難しくなります。これは構造的な不安要素といえます。

ヒラリー・クリントンは、トランプのような人物を米国の最高司令官にして、世界最強の軍と核のボタンを預けることができるのか・・・と何度も指摘しましたが、まさに北朝鮮問題は、このリスクが顕在化する局面を作り出しているといえます。

10 comments on “北朝鮮とトランプ
  1. ペルドン より:
    ICBM

    開発成功前に・・
    搭載核爆弾開発前に・・
    北を叩いておく必要があるでしょうね・・
    成功させたからじゃ・・遅い・・

    韓国の大統領選睨んだ・・チキンレース・・
    日本・・はい・・間違いなく巻き込まれるでしょう・・
    米軍基地ではなく・・ミサイルは東京一直線・・抱き付き心中・・・

  2. nanashi より:
    それだけでは…

    おはようございます。隣の国がえらい事騒がしいですな。まああれだけ色々揉め事が多いと何かあるんじゃないかと思うのは考え過ぎではないかと思いますね。
    ただ今行動をするならどっちの側にしても有り得るかと。だからこそトランプ親父の気質だけでは語れないんじゃないかな?先月安倍総理との会談の際に北の国がミサイルを発射したけれども、あの際の共同会見の際のトランプ親父の顔がやたらと危機感があったのが凄い印象的でした。流石に今回は自分たちにもミサイルが飛ぶ可能性があるという危機感はあるので、かなり何かあるんじゃないかな…?

  3. さいぱんだ より:
    武力行使は

    いつも大変興味深く読まさせていただいています。
    毎回読後は、次の更新が楽しみになります。

    今回の記事の、北朝鮮とアメリカとの緊張について、
    質問させてください。

    アメリカ大統領の権限についてですが、他国への
    武力行使のような重大な命令は、大統領の一存のみで
    実際に実行できるものでしょうか?

    また、対峙する北朝鮮側では、腐敗も深刻な様子ですが、
    軍は、将軍の命令に最後まで従うでしょうか?

    初歩的な質問ですみませんが、私の狭い視野では
    どうも現実感がないのです。

  4. JD より:
    さいぱんださん

    ご質問ありがとうございます。

    米国大統領の権限ですが、大統領は最高司令官であり、自らの判断で武力行使を決定できます。ただ、議会から事後承認を得る必要があります。これは、ニクソン時代にベトナム戦争の反省から制定された戦争権限法による規律です。

    北朝鮮の内部事情については、正直なところ、誰にも分かりません。
    情報があるとすれば米国と韓国の情報機関、中国ぐらいで、日本の「朝鮮半島専門家」も、彼らの情報を入手して紹介するぐらいしかできません。なので、このHPではこのへんはあまり触れないことにしています(よほど確度の高い情報が得られれば別ですが)。

  5. ペルドン より:
    余程角度の高い情報

    公表すれば・・
    JD・・
    命を狙われるか・・
    気付いたら・・
    かの地で・・美女と手錠で繋がれ・・
    情報分析・・スパイ養成所教官・・
    羨ましいなぁ・・( ^ω^)・・・(笑

  6. バッファロー66 より:
    確度の高い情報

    画像分析すると、北の大将は影武者である可能性が高いという話もありますね。
    なんでも「耳の形が違う」とか。

    おや、お客がきたようだ。
    こんな時間に来客とは珍sisakos:mnauimkvp:@eds

  7. より:
    北との・・

    自動車批評家国沢さんによると・・
    その噂だけで・・
    ガソリンが1リットル10円高くなったそうな・・
    確かに一夜で高くなった・・
    そこまで来ているか・・( ^ω^)・・・(笑

  8. さいぱんだ より:
    武力行使2

    お答えいただき、有り難うございます。
    行間に切迫感を感じました。
    大統領の一存で実行できるなら、トランプ政権にとって
    まさに逆転の秘策になりますね。

    また、もし直接的な反撃を受けた場合は、アメリカも
    ますます独裁的な体制になってしまいそうで、それも
    トランプ政権に有利に働くかもしれません。

    日本海を挟んだミサイル攻撃の応酬になるのか、
    北朝鮮がアフガニスタンのようになってしまうのか、
    米中の武力衝突にまで発展してしまうのか。もし
    アメリカ軍の攻撃が実行されたら、本当に大変なことに
    なりますね。

  9. 牧神の午後 より:
    out of desperation

    現地時間の20日に、FBIのdirector の公聴会がありますね。

    証言の内容とそれに対するホワイトハウスの出方によっては、共和党が大統領を見捨てる可能性が現実味を帯びてくるのでは?

    もしそうなると、大統領が北朝鮮に攻撃を仕掛けるという事態もありえますか?

  10. 空の財布 より:
    制御不能…。

    ペルドン様から有り難くも励まし?(笑)のお言葉を頂戴しましたが。
    制御不能は北朝鮮ではなく、アメリカだったという…苦笑。
    国内予算は議会チェックがあるとしても、外交で躓く可能性が大きいのでは。
    ヒラリーを倒した直後の演説で、ウォール街と共和党は安心したが、勘違いに気付く時が近付いて来ているのではないでしょうかね…?

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