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2017/02/15 00:00  | 米国 |  コメント(5)

フリン大統領補佐官の辞任


フリン大統領補佐官が辞任、対ロ制裁めぐり疑惑(2月14日付CNN)

衝撃的なニュースが飛び込んできました。国家安全保障担当大統領補佐官は、NSCを仕切る立場にあり、政権の中枢を占めるポストです。

しかも、マイケル・フリンは、元陸軍中将、オバマ政権で国防情報局(DIA)長官を務めるなど、大統領選の初期の段階からトランプを支持したブレーンの中では数少ない豊富な実務経験のある人物。それだけにトランプの支持も厚く、だからこそ要職に任命された経緯があります。

そのような人物を政権発足1か月足らずにして失う。いきなり躓いた・・・という事実は否定できません。

しかし、「トランプの統治スタイル」で述べていたとおり、フリンは、トランプからバノンやクシュナーほどの信任を得ておらず、かつ、数多くのアキレス腱を抱えており、政権にとっては爆弾ともなりかねない人物でした。

オバマ政権での更迭、人種差別的な発言、聴衆を扇動するかのような言動、息子のスキャンダル・・・その異常性は際立っていました。しかも、今回の辞任の原因にもなったロシアとの関係は、ジェームズ・マティス国防長官や共和党主流派にとっては容認しがたいものであり、体制内での確執も指摘されていました。

こういった事情から、「トランプの統治スタイル」で、トランプがフリンを切る可能性があることを指摘していました。そういう意味では、このタイミングで・・・という驚きはありましたが、いずれ起こることは十分に予想された事態ではあります。

したがって、コメント欄で楽譜さんがおっしゃっていたとおり、早い段階で危険な人物を切ったという意味では、かえって政権の安定感は増した、とみることもできます。

政策面での影響としては、親ロシア路線がある程度修正されることが予想されます。

フリンと並んで親ロシア派の巨頭とみられたレックス・ティラーソン国務長官は、指名された時点では大いに懸念されたものの、その後の振る舞いをみると、非常に公平でしっかりした人物であることが分かりました。今ではマティスと並んで最も安定感のある閣僚と評価されています。ティラーソンがロシアに対して前のめりになることはない、という見通しが有力です。

あとは、NSCと国防総省にはフリンの息がかかったスタッフが多く登用されているので、組織面でギクシャクするかもしれません。ただ、これは時間の問題であって、トップが決まって方向性が定まれば、おのずと組織は安定するでしょう。おそらく、マティス国防長官を中心にまとまると思われます。

ただ、次回述べる予定ですが、トランプ政権は、閣僚から事務方に至るまで、人事に著しい遅れが生じています。フリンの辞任はさらなる遅れを引き起こすことになりそうです。

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5 comments on “フリン大統領補佐官の辞任
  1. 通りすがり京都人 より
    安倍首相との会談

    日本では、好評でしたが、どうやらアメリカ人からみると、かなり
    問題を抱えた会談と見えたみたいですね。
    この温度差は、なんなんでしょうか。
    #安倍さんが、ちょっと前のめり過ぎではないかと心配です。

  2. ペルドン より
    フリン大統領補佐官の辞任

    次々と・・
    大統領選に功績があった人物を・・
    トランプは切ってますね・・
    もっともっと忍耐心が無きゃ・・焦りとみなされる・・
    人材が去っていきますね・・
    その結果・・人事の停滞が起きている・・
    有能でも・・
    自分の娘婿に権力を集めさすのは・・危険ですね( ^ω^)・・・(笑

  3. JFKD より
    バノン クシュナー

    選挙戦からずっとバノンのシナリオで動いていて、クシュナーは途中から補完で選対に入って来た印象がある。JDさんの予想通リフリンは外されましたね。二人ともフリンは邪魔だった観がある。そしてNSCの考えられないような構成は、バノンの構想かフリンの構想だったのか興味がある。
    ここからは二期目を目指すあたりから、バノンからクシュナーに切り替えると予想したくなりますね。共和党は二人とも警戒してますね。
    大使館をテルアビブからエルサレムに移せば中東戦争と言われていますが、ぺルドンさんの言う新しいユダヤの階級であるクシュナーはそれに賛同しているのかが問題ですね。IS討伐後やるのか。
    おそらくクシュナーは親中で、ナヴァロ、ロス、ティラーソンと角逐があると思われますが。

  4. 空の財布 より
    難しい…

    トランプが実はバランス能力に長けている人物だ、ったとしても、周囲のスタッフを集めれない以上、期待もあまり出来なくなりますね。

    せっかく日米首脳、仲良く出来る関係だったのに、モッタイナイ⇐言ってることスグ替えるお調子者…(笑)

  5. ペルドン より
    トランプ政権の

    イスラエル・中東関係の責任者に・・
    クシュナーが決まったそうですね・・
    軍務を知らない切れ者・・
    どれ程・・国防長官のコントロールが効くか・・
    未知数ではありますね( ^ω^)・・・(笑

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