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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2016/05/02 00:00  | 今週の動き |  コメント(7)

今週の動き(5/2~8)


ゴールデンウィークですね。皆さんどのようにお過ごしでしょうか。私は沖縄でダイビングをしてきます。粟国島でこの時期でしか見られない大物を狙う予定です。数年前に一度見たのですが今回は前回以上の成果を期待しています。楽しみです。

そういうわけで、連休中は更新が少なくなると思いますが、コメントはいつも拝見しています。タイミングを見て記事でご回答しますので、よろしくお願いします。

さて、先週の動きです。

4/25(月)
・米英仏独伊首脳会合(独ハノーバー)

4/26(火)
・米大統領予備選挙
コネチカット、デラウェア、メリーランド、ペンシルバニア、ロードアイランド
 →トランプは全勝、ヒラリーは4州で勝利
・FOMC(~27日)

4/29(金)
イラン国会選挙決選投票
・G7情報通信相会合(~30日、高松市)

4/30(土)
・日中外相会談(北京)

5/1(日)
・日タイ外相会談(バンコク)
・韓国大統領がイラン訪問(~3日)
・G7エネルギー相会議(〜2日、北九州市)

今週の動きです。

5/2(月)
・日仏首脳会談(パリ)
・日伊首脳会談(フィレンツェ)

5/3(火)
・米大統領予備選挙・インディアナ予備選
・日ミャンマー外相会談(アウンサン・スーチー国家顧問兼外相との会談)(ネピドー)
・日中韓財務相・中銀総裁会合(フランクフルト)
・ASEAN+3財務相・中銀総裁会合(〜5日、フランクフルト)
・ADB年次総会

5/4(水)
・日独首脳会談(ベルリン)
・日ラオス外相会談(ビエンチャン)

5/5(木)
・日ベトナム外相会談(ハノイ)
・スコットランド議会選
・北アイルランド議会選
・ロンドン市長選

5/6(金)
・日露首脳会談(ソチ)
・北朝鮮の第7回労働党大会

5/7(土)
・米大統領予備選挙・グアム党員集会(民主党)

●米大統領予備選挙

4月26日の5州の選挙でドナルド・トランプヒラリー・クリントンが順当に勝利。しかもトランプは予想以上の圧勝をおさめ、過半数(1,237)獲得の可能性を残す状況になりました。

そこで次に注目されるのが5月3日のインディアナ予備選(代議員数57)。世論調査では五分五分でややトランプ優勢の状況。

インディアナは保守的な土地柄であり、テッド・クルーズには地の利があります。4月29日にはマイク・ペンス知事もクルーズ支持を表明しました。クルーズは、カーリー・フィオリーナを副大統領候補に指名し、ジョン・ケーシックとの選挙協力に踏み切る(インディアナはクルーズ、オレゴンとニューメキシコはケーシックとする)といった奇策を繰り出しています。

敗色濃厚な候補がこの時期に副大統領を指名したり、他の候補者と同盟を組むなど聞いたことがありません。苦肉の策で必死にトランプを止めようとしているのが実情でしょう。しかし、トランプの勢いを止めることはできず、もはや不可避(inevitable)という雰囲気が浸透しつつあります。

トランプも、「今週の動き(4/25~5/1)」で述べたとおり、「より大統領らしい」「新しいトランプ」のアピールに努めるようになっており、外交政策についても、相変わらず不安定ではありますが、アドバイザーの意見を聞いて少しずつトーンを変えてきました。

ちなみにトランプが唱える「アメリカ・ファースト」は、パードゥンさんもコメント欄で書かれていましたが、米国企業・雇用の利益を最重要視する単独主義・孤立主義という意味では、特に新しい主義・理念ではなく、昔から米国の根底に根強く流れる潮流の一つです。1940年に設立された「America First Committee」という第二次世界大戦への参戦に反対した孤立主義団体(チャールズ・リンドバーグがスポークスマンを務めナチスを支持したことで有名)が代表格で、「アメリカ・ファースト」というとまずこの団体・運動が頭に浮かびます。

こうした孤立主義を含めた米国の思想潮流については、延び延びになっていますが、「ウォルター・ラッセル・ミード 『Special Providence』①」の続きで解説します。

●フィリピン大統領選

来週の5月9日に予定されています。「フィリピン大統領選:『ダーティハリー』の参戦」で取り上げた「フィリピンのトランプ」ことロドリゴ・ドゥテルテが本家のトランプと同様にフロントランナーになって2位以下を突き放しています。こちらについては大統領選の直前となる今週の金曜に解説します。

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7 comments on “今週の動き(5/2~8)
  1. ペルドン より
    沖縄&他

    あちらも・・
    大物狙ってるんじゃ・・
    海底遺跡に・・連れて行かれないように・・

    America First
    看板を借りてきただけ・・リースだから・・選挙終われば返すな・・
    本命になったら・・流石に知恵者が多く・・くっつくからオマカセアレ・・

    言われている程・・
    ヒラリーとの差・・開いていないニュースもあり・・
    ヒラリーのお疲れ模様・・只事ではない・・
    やはり・・歳かな・・・(笑

    円安コースも・・
    アンクルに脅かされ・・
    悲鳴をあげて・・彼方此方・・放浪の旅路・・
    こちらも・・大丈夫かなぁ・・関白殿・・・(笑

  2. パードゥン より
    バフェットは感がいいから

     トランプ嫌いだけど、賭け金はトランプに(笑)

    ”トランプ氏、クリントン氏のどちらが勝っても問題なし” バフェット氏発言

    前代未聞でも、副大統領話題ですよね。 
    インターネット時代に大新聞のペースが追いついていない?

  3. 下北のねこ より
    がんばれ、グレース!

    沖縄いいなあ。ともかく、天気に恵まれるといいですね。
    素敵な休日をお過ごしくださいませ。

    話は変わって、今週の中で、ちょっと気になるのは日露首脳会談くらいです。
    アメリカが為替なんかで少し不機嫌な態度表してるのはこれがあるからかなあ。
    ぐっちーさんが、有料のメルマガの方で、円高について触れているそう(読める立場じゃないので想像です)なので、読者さんは確実に利益膨らんでるだろうなあ。羨ましい。

    アメリカ大統領予備選については、少し興ざめしつつあります。関係ないけど。
    お金持ちって、政策もお金で買えるんですね。トランプさん。
    なんか、面白さが消えてきた感じ。

    個人的に面白そうだと思うのはフィリピン大統領選挙です。
    最近、どんどん女性の国家元首が誕生してますが、フィリピンも女性がトップを再度奪回するかとちょっと期待してます。
    性別はさておき、個人的に応援したいのはグレース・ポー上院議員、アメリカに留学して、ケリー国務長官も出たボストン・カレッジを卒業したってところが、多民族国家であるフィリピンの大統領にはとても適した経歴だと個人的に思います。

    テレビとかで見たことのあるフィリピンの歴代大統領ではフィデル・ラモスが断トツで優れていると個人的には思うのですが、それもアメリカ留学の賜物だと思います。
    一番成功した多民族国家で、いろんな人種、宗教、思想の人々と自然にだけど注意深く対等につきあう術を学んだことが、ラモスの場合は共産ゲリラとの和解を成功させたことに繋がり、経済運営が上手かったのとか、汚職事件に巻き込まれなかったのもアメリカで身につけたセンスがあったのかなって感じます。

    グレース・ポーさんも実力は本当に未知数ですが、そういったセンスや清廉さは期待できると思います。
    また、南沙諸島問題など対中外交においても、良好な対米関係をバックにすることは大きなプラスになるでしょう。

    ただ、この方、マルコス大統領の実の娘じゃないかって噂があるところはちょっと気になります。噂がスキャンダルに育ち、マイナスに働くことがなければいいですが。

    フィリピンのダーティーハリーさんの方は、当選したら、国内治安はともかく、対中関係は東アジア全体の他山の石になりそう。

  4. パードゥン より
    クルーズ氏が撤退

     ここからのトランプの発言は、共和党主流とある程度調整の上と
    なりますか?

     そうだとすると、これまでの発言とは影響力が俄然、違ってきますね
    さらにケーシックが撤退して、候補一人になったとしても予備選は続きますか?

  5. volcano より
    格差社会

    フィリピンもアメリカ同様の格差社会。たった3%の中華P人が支配する国。中華P人は「フィリピンは植民地だ」とハッキリ言い切る。カリフォルニアに豪邸と広大な土地を所有する。賄賂によるcorruptionが酷くて誰が大統領になっても変わらないとP人誰もが思ってる。理由は、金に転ばないP人は居ないからです。P人も諦めていて、今頃各家庭に候補者の書かれた紙と共に金がバラまかれていることでせう。
    ドテルテがDAVAOの治安を高めたと言われるが…実際そうも感じた。が、統計で犯罪率を見ると、そうでもないようです。
    フィリピン人の日給が400ペソ、1000円くらいか。P大統領の公式年収は、大したことないが、ポークバレルという制度があり、上院議員には3億円も出る。半分はパクってもいいらしい。こんなだから日本のODAもフィリピンの腐敗を強めただけだった。結果的に庶民を苦しめることに。
    フィリピン経済は中華が独占し、内需産業に外人が自由に参加できない。共同出資でしか出来ずに、結局外人は血を吸われて終わり。相互主義ではないな。

  6. 空の財布 より
    Mr. Trump

    >トランプ氏、ストーンズの楽曲使用中止要求に「倍返し」

    本気でthe President of the United Statesになる気はなさそうですね…(苦笑)

  7. 空の財布 より
    Mr. Trump 快進撃の意味

    湾岸戦争当時、アメリカは戦争でまとまると聞きました。
    誰も予想出来なかった彼の快進撃、アメリカは亀裂しまくり状態では?
    それに比べて補助金漬けの日本、これがある限り、和製かるたは出て来ませんね…。

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